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DFF中心の女性向け・腐注意ブログ
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5万打ありがとうございました! ちょいリアルでへろへろになってるのでご挨拶やお返事は後ほどで…
そしてこれはただのばかっぷるウォルスコなSSSです ついでにウォルさんがだいぶブレてます

また大きな地震がきましたが自分は何事もなく無事です これは、余震扱いなんだろうか…早く落ちつけばいいのですが…








ゆらり、獅子の姿が揺れた。
いつも気高く立つ体は震えているように、霞んで見えた気がして、宙に溶けていくように思えてしまって。
失くしたくない、と必死の思いで手を伸ばすも、体は思うように動かない。

がん、と頭を叩かれたようだった。
どうして動かない、どうして掴めない。
せめてと彼の名を叫ぼうとしても、掠れて声にならない。
あまりの無力さにぐらりと視界が歪み、強張る指先が震える。

海色の瞳もぶれて、真っ直ぐ合わせることも出来ない。
覗き込んでくるように、上目に見上げてくる双眸が捕らえられない。
形のよい唇でなにかを言っているようなのに、心地のよい低音は上手く耳に入ってこない。

まるで彼が遠ざかっていくようで、消えてしまうように思えてしまって、途端に強い恐怖に襲われた。
滲む視界の中、持てる力で彼の腕を捕まえて、細い体を抱き込んだ。
返ってくる感触も鈍く、それがただひたすらに恐ろしくて、強く強く抱き締めた。





「ウォ、ル! は、はな…せ…っ」
「いやだ、スコール、わたしは」
「―――っ、痛いんだよ、この酔っ払い!!」

どがっ

いきなりの勇者の行動にスコールが自失したのも一瞬、骨が軋むほどの力で抱き締められ、その痛みに文句付けるも、酒で理性の鈍った勇者に聞き届けられる様子はない。結局実力行使に踏み切ったスコールの拳により、勇者の腕はようやく緩められたのだった。

「……スコール?」
「何なんだ、いきなり。……とにかく、まずは水を飲め」

思い切り殴られた頭に手を遣りながら、あまり状況を理解出来ていない様子でぱちぱちと瞬く勇者に、少々罪悪感を覚えたのか、スコールは体に残る痛みを口にはしないまま水を差し出した。不思議そうながらも、素直に受け取って水を口にする勇者を見守りつつ、小さく溜め息を吐いて経緯を思い返す。
偶然入り込んだ世界で手に入れた酒は、当然ながら成人組のものとなった。それで小さな酒盛りをした際に、調子に乗ったバッツが勇者にずいぶんと飲ませてしまったのだ。バッツ自身も盛大に酔っぱらってセシルに介抱されていたが(彼らは同い年である)、彼ほどではなくとも軽く酔ってしまった勇者は、クラウドによってスコールに押しつけられたのだった。
今思えばクラウドも酔っぱらっていたのかもしれない、と苦い気持ちで思いつつ、スコールは薄氷の双眸が常の光も緩めているのを眺める。空になったカップを受け取り、首を傾げるように覗き込んだ。

「大丈夫か?」
「少し、眠いな」

そうだろうなと頷いて、勇者の様子がやや元に戻りつつあるのに安堵する。この程度なら、明日になって二日酔いに苛まれることもないだろう。バッツのことは知らない、自業自得だ。
そう考えていると、ふと勇者が片手を伸ばして頬に触れてきた。その指先は震えることもなく、先程に比べてずっとしっかりした手付きだった。一方でスコールの方はといえば、また力任せに抱き締められるのかと思わず身を強張らせてしまうが、指先はそんな無意識の怯えを宥めるように優しく、そして熱い。

「君は、いつもより冷たいな」
「…あんたが熱いだけだ。今日はもう、さっさと寝ておけよ」
「そうか。では、この酔っ払いのお守がてら、共に眠ってくれないだろうか」

勇者の己を揶揄する言葉と同衾の誘いに、もう片方の手までが頬を包んでくるのも忘れて、スコールは驚きに目を見張ってしまう。返答に迷っていれば、右頬の手が後頭部へ滑って軽く引き寄せられ、耳元で「駄目か?」と囁かれた。
酔いのせいで呂律はわずかに回っておらず、耳に触れる吐息は熱い。勇者が自覚していないだろうことは容易に想像できるが、そのおかげでスコールは無闇に慌てずに済んでいる。とはいえ、頬の熱が増すのはとても止められないのだが。

「わかった、分かったから。だから放せ」
「スコール、君も酒を飲んだのか? 熱くなっている」
「……飲んでない。これはあんたの所為だ、バカ」

誘いが受け入れられたことに満足したのか、憎まれ口は聞こえないふりでスコールを解放した勇者は、早速と夜着に着替え始める。その手付きがさほど危なげないことを確認して、既に夜着だったスコールはさっさとベッドに入っていった。それに続くように着替え終えた勇者がベッドに入ったところで、スコールが上目に睨み上げてきた。

「これに懲りたら、もう飲むなよ」

了解した、と返せば、呆れたような溜め息がシーツに落ちる。その溜め息を拾い上げるように口付けてから、文句を言われる前にと胸元に抱き寄せた。

―――あんな恐怖は、私だけが知っていればいい。

力をいつもより強めてしまうのは、酔いのせいで制御が効かないためだと、思ってくれるだろうから。もう少し、もう少しと、手の届く安堵の中で勇者は愛し子を抱く腕に力を込めた。











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