DFF中心の女性向け・腐注意ブログ
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こんな時に、と思われるかもしれませんがお絵描きかSSS書きでもしてないとなんとも落ちつかないので そんなもんだからいまいち日本語も安定してませんが、まぁその内直…さないだろうけども
ちなみに前にりあたいの方で呟いた雪降りネタ
・パロなのでウォル→ライト
・ナチュラルに同棲
関東だからまだ気が楽だけどもう少し北に住んでたらと思うと恐ろしい…早く収束すればいいのですが
ちなみに前にりあたいの方で呟いた雪降りネタ
・パロなのでウォル→ライト
・ナチュラルに同棲
関東だからまだ気が楽だけどもう少し北に住んでたらと思うと恐ろしい…早く収束すればいいのですが
真冬は過ぎて、春も近付いているというのに、その日は昨夜からの雪で白く染まっていた。
「ずいぶん、積もったものだな」
そう言うライトの肌は、降りしきる雪や吐き出す息の白さとあまり色合いが変わらない。それでも鼻先だけわずかに赤いのが少しだけおかしくて、スコールはやや不自然に視線を外して前へと向き直った。
朝、いつものように出勤していったライトを見送ったものの、昼をすぎてから急に冷え込み、昨夜のように雪が降り出したのだ。朝は比較的暖かったし、予報では雪が降ることはないと言っていたから、ライトも傘を持っていかなかった。しかし雪は止む気配がなく、それどころか強まっていく始末。定時に帰れるとしても、雪は強いままだろうし、下手すれば電車が止まってしまうかもしれない。
そう外を見つめて、不安に顔を曇らせていたスコールに、“電車が止まる前に帰れ、と会社を追い出された”というライトからの連絡が入ったのは、一時間ほど前のことだった。
「…追い出されてよかったんじゃないか?」
「そうだな。雪の中を君と歩いたのは、初めてだしな」
感慨深げに呟くライトの言葉に、スコールが仄かに頬に朱を乗せる。銀世界にライトの髪が融けて見えるのも、肌が吐息を紛うばかりに白すぎて見えてしまうのも、その頬を温めたいと伸ばしかける手を、外だからとコートの中で握り締めるのも、スコールには初めての経験だった。
「寒くはないか?」
身を案じる視線と言葉は、傘を持って駅まで迎えに行ってから、家までの道のりをライトと並んで歩く間、何度も向けられたものだった。大丈夫だとわざわざ返答する気も起きず、呆れたような表情を浮かべながらも頷いたスコールに、ライトは何度目かになる安堵を見せる。過保護め、と詰りたくなるが、帰ってからにしておくことにした。
ぎゅ、ぎゅ、と聞き慣れない音を立てる地面を踏みながら、滑らないようにとゆっくり進んでいく内に、通りがかった小さな公園で、雪玉を前に立ちつくすひとりの少年が目に入った。もうすぐ日が暮れ始める時間で、未だ雪が降りしきる中、少年の他に遊んでいる子供の姿は見えない。辺りを見回しても、保護者らしき人や友達は見当たらない。
泣きだしそうな顔のひとりぼっちの少年に戸惑ったのは、二人とも同じだったらしい。一度スコールと目を合わせたライトが、公園へと足を踏み入れたその後を、スコールは一瞬だけ躊躇ってから追った。
「君は、ひとりなのか?」
いきなり声をかけてきたライトに少年はびくりと肩を跳ねさせたが、逃げ出すことはしなかった。足が竦んでか、あるいは寒さで、足が動かなかったのかもしれない。見上げてくる大きな青い瞳は既に潤みを見せていて、少年に視線を合わせるために屈んだライトの後ろで、スコールは眉根を寄せた。
少年は迷うそぶりを見せたものの、結局声は出さないまま、こくりと小さく頷いた。その拍子に、少年の髪に付着していた雪が零れ落ちる。改めて見てみれば、少年は白いマフラーとコート以外の防寒具といえるものは、なにも身に着けておらず、雪を避ける傘すら見当たらなかった。
「…スコール、傘を――」
「分かってる」
二人で一つを使っていたため、手に持っていただけの傘。それを差して手渡そうとするも、少年は受け取ろうとしない。なぜ、と二人が不思議に思っていると、少年は雪玉へ視線を落としてようやく小さな口を開いた。
「……ゆきだるま、きょうまでだって…」
「?」
「きょうじゃないとだめだって…ぼく、おかあさんに、ゆきだるまみせたくて……――ふぁ、が、てつだうって…まってろ、て…」
「……雪だるまを作りたかったのか?」
嗚咽混じりの声をなんとか聞きとって、少々困惑しつつもスコールが静かに尋ねてみれば、頷きが返ってきた。理由を完全に知ることは出来ないが、少なくとも少年の望みは把握出来る。そして、ライトが目を細めながら空を見上げたのは、明日から気温が大きく上がると予報されていたことを思い出したから。だから、雪だるまを作れるのは“今日まで”。
少年にここを離れる気が無いのは、容易に見て取れた。無理矢理帰らせるわけにもいかないだろうし、なにより、少年に待つよう言った友達だろう者が戻ってきた時に、混乱させてしまう。かといって、このまま少年を放置することも出来ない。
どうしたものか、とライトが思案する横で、スコールが少年と同じように雪玉を見つめながら、不意に呟いた。
「……雪だるま作るの、手伝ってやろうか」
「え?」
少年のみならずライトまで声を上げる先で、スコールはさっさと持っていた傘をライトに押しつけると、ちょうど少年の隣の、雪が多く積もった場所にしゃがみ込んだ。
「どうするんだ。作るのか、作らないのか?」
「…つ、作る」
「だったら、ほら」
素手じゃ冷たいだろ、と既にかじかんで真っ赤になっている少年の手に、スコールは傘と同じように自分の手袋を押しつける。それでも戸惑って受け取ろうとしない少年に焦れてか、無理矢理というには優しい手付きで小さな両手を取って、少年の手には大きすぎる手袋を嵌めさせた。少年が困惑の視線を向けてくるのに、スコールはふいと顔を俯けて、素手で雪を掬い始める。
「スコール」
それまで黙っていたライトに名前を呼ばれて、スコールは面を上げるも、きっ、とライトを睨んでからすぐに俯いてしまった。困ったように二人の間で視線を泳がせている少年の頭を、傘を置いたライトはスコールと同じ素手で軽く撫でながら、微笑みかけてやった。
「せっかくだ、大きいものを作ろうか」
「で、でも…」
「雪は沢山ある。それに、彼が頑張ってくれるだろう…君のために」
「…ライト!」
途端に上がった声と双眸は、“勝手なことを言うな”という文句を如実に表している。すまない、と笑いを耐えながらも律儀に謝ったライトに、かじかんだのとは別の熱で頬を染めたスコールは、小さな雪玉を思い切り投げつけた。
雪だるま作りと一方的な雪合戦(ほとんどスコールがライトに投げつけたものである)に没頭しているうちに、空は夕闇に染まり、雪は傘が必要ない程度まで弱まっていた。
「えだときれいなはっぱ、みつけてきたよ!」
警戒も解けたのか、子供らしい笑顔を見せながら少年が走ってくる後ろを、スコールがゆっくりと歩いてくる。その様子をまるで兄弟のようだと微笑ましく思いながら、三人がかりで作った雪だるまの隣で待っていたライトは、少年の頭をゆっくりと撫でてやった。大きすぎる手袋越しに、雪だるまの手と口にする材料を大事そうに抱えているのが、妙に可愛らしい。
せっせと雪に枝を刺す少年の姿を、目を細めて見守るライトに、スコールは無意識に顔をしかめていることにも気付かないまま、枝が外れないようにと雪を足していく。
「…あとは目だな」
「えっとね、あかくてまるいのがどこかに…」
「だれだおまえら!…って、あれ?」
背後で上がった声に振り返れば、そこに立っていたのは金髪の少年だった。ライトとスコールが瞬いているうちに、栗色の髪の少年の表情が明るくなっていく。その様子から、待っていろと言ったのはこの金髪の少年で、彼が本来ここにいるべき友達なのだろうとは、すぐに予想がついた。
「おい、それ、どうしたんだよ?」
「おにいちゃんたちがね、てつだってくれたの」
「ふーん…?」
じい、というよりはじろり、とでも擬態語がつきそうなほど警戒心も露わに、碧の目で見上げてくる少年に、二人は視線を交わしてから、再び二人の少年へと向き直った。
「俺たちは帰るから」
「え? かえっちゃうの…?」
明るくなった表情が一挙に暗くなったのを、金髪の少年が見た途端、その顔が面白くなさそうに歪んだ。それを気にする様子もなく、置いた傘を取りに行ったスコールを見送ったライトは、完成を前に佇む雪だるまへと視線を向けた。枝も刺し、葉も張り付けたが、目となるものが付けられていないためか、雪だるまはひどく中途半端に見える。
「彼と、雪だるまを完成させるんだ。もう暗くなるから、急いだ方がいい」
「わかった! おら、さっさとやんぞ!」
「えっ、ま、まってよ!」
ライトの言葉を受けて金髪の少年がさっさと手をひっぱるのに、栗色の髪の少年は引き摺られていきながらも、傘を手にライトの隣へ戻ったスコールへ声を張り上げた。
「おにいちゃんの、てぶくろが、」
「…別に、いいよ。そのまま持ってろ」
「で、でもっ」
「いいから」
そう、スコールが小さく苦笑を浮かべると、少年は呆気に取られたような顔をした。苦味混じりの小さいものとはいえ、スコールが少年に笑顔を見せたのは、これが初めてだったのだ。それでも少年は、公園を出て行こうとする二つの背に、更に声を張り上げることは忘れなかった。
「ありがとう!」
「―――楽しかったか?」
家までの道を歩きながら、不意に投げられた問いに、ライトは一度瞬くと首を傾げた。
「それは、私が君に言う言葉ではないのか?」
「あんたが、雪だるまを作るのが…子供を構うのが好きだとは、知らなかった」
返答の体を成していないスコールの言葉を、ライトが不思議だと思ったのは一瞬だけ。髪とマフラーの下に隠れようとするスコールの顔は、不機嫌というよりは拗ねているそのものだと、ライトはすぐに見破っていた。そっと微笑んで、雪のついた暗褐色の髪を撫でてやれば、隙間から見えるスコールの頬がじわりと赤味を増す。ついでのように前髪の間から海色の目で睨まれるが、ライトには可愛らしいとしか思わせなかった。
「あの少年が、君の幼い頃と被ったんだ。だからだろうか、どうにも放っておけなくてな」
「…あんな、泣き虫じゃない」
「もちろん、今の君も放っておけないのだが」
先程の仕返しのように、わざと返答してやらないまま、ライトは手袋を失ったスコールの手を自分の手で包むように繋いだ。それに一度は抗議するような視線が向けられたものの、スコールの手に振り解こうとする素振りはなく、それどころか握り返してきたのに、ライトは僅かに目を見張る。
驚いたような表情を見られたことで、スコールはマフラーに隠れた口元で小さく弧を描いた。子供扱いされていることも十分承知しているが、構われるのは嬉しいことだと、少し素直になれば容易に自覚出来る。どうせ、雪だるま作りなどを手伝ってしまった時点で、少なくとも今は大人ぶることがもはや無意味なのだろう。もっと正直に言ってしまえば、あの少年が自分に似ていると思ってしまったからこそ、スコールも少年を放っておくことが出来なかったのだ。
「…明日には雪、溶けるかな」
「どうだろうな。だが…出来るだけ長く残ってくれれば、いいと思う」
「……うん」
明日には気温が上がるという予報に喜んだのは朝のことだったが、今は、あまり上がってくれるなと願ってしまう。少年と作った雪だるまが残ってくれるなら、明日が寒くても、いっそ雪が降ってくれても構わないと思ってしまう。それを現金だと自嘲するには、繋いだ手が温かすぎた。
素手での雪遊びを終えて、手はかじかみ冷え切っていたのに、繋いだ箇所は雪の冷たさを忘れてしまえそうなほど、熱かったのだ。
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二人の少年のモデルは幼スコールと幼サイファー もちろん別人ですが
幼サイファー(仮)がいなかったのはカイロとか防寒具を取りに戻ってたのです
ついでに幼スコ(仮)のおかあさんは病弱な裏設定があったりして
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