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DFF中心の女性向け・腐注意ブログ
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セシル+ティーダ視点…だけにしようとしたら全然バツスコっぽくならなかったので付け足してみた…けど、これ、バツスコ?とやっぱり首を傾げたくなる…
大人にも子供にもなれるからバッツはひとりで二粒おいしい、的な?
しかしバツスコ初挑戦だったけど難しいな 自己生産の必要ないし大人しく見る側に回るか…でもやっぱりバツスコも可愛い

というかDFFのキャラってみんな可愛いよねd(*´Д`*)b









「…ん?」

クリスタルワールドにて。ティーダはふとある一点に視線を遣ったと思うと、暫くそこを凝視してから、傍らの騎士の腕を引っ張った。何事か問うより先に物影へ引き摺りこまれ、セシルは咄嗟に辺りの気配を探るが敵襲ということでもなさそうで、肩の力を抜くと同時に、引き摺りこんだ犯人へ改めて問い掛けた。

「どうしたんだい?」
「あれ見てみろよ、あれ!」

弟分のひそませながらも無邪気な笑い混じりの声に、自然と頬を綻ばせたセシルは、ティーダが指し示す方向を見た。そこで細められていた目が、呆気にとられたように丸くなり、ぱちぱちと瞬いた。
ティーダが面白おかしげに、そしてセシルが不思議そうに見遣る先には、スコールとバッツの姿がある。それだけなら何の変哲もない光景だったのだが、それぞれの反応を引き出した要因は、二人の体勢にあった。
ずるりずるずる、と。スコールがバッツを背負い、思いっきり引き摺っていたのだ。
バッツの方はスコールの首に腕を回して、つま先が地を掻いているにも関わらず、引き摺られるがままになっている。そこでバッツに何事かあったのかと危惧するより先に、マントのものまねでもしているのだろうかと考えてしまうのは、どう見ても、じゃれついているだけにしか思えないせいなのだろう。

「スコール、意外と力あるんだなー」
「…ああ、うん、そうだね」

確かに、成人男性(あれでも一応、である)を力任せに引き摺るのは、かなりの労力が必要だろうが。ただ、今つっこむのはもっと別の箇所のような気もするのだが。
ティーダの微妙にずれた着眼点に妙な感心をしつつ、セシルはそのおかしな光景を見遣る。バッツの顔は向こうを向いているので分からないが、スコールはといえば、どこかぶすくれた表情で必死に足を進めようとしているようにも見える。
―――ああ、あれは自棄になってるんだな。
僅かに赤く染まった目元と頬、そしてきつく寄せられた眉根から、セシルはそう判断する。何があったのかを聞くことは簡単だが、下手に触らない方がよさそうだ、という予感がセシルにはあった。こちらには気付いていないようだが、きっと見られていると知った途端バッツを振り落とすのだろう。ティーダにセシルと同じような危惧があるかは定かではないが、突撃しないのを見る限り、スコールを茶化すより二人の様子を見守る方が面白いと判断したのだろう。

(…まぁ、その点では僕も同罪かな?)

とりあえず、拗ねたような顔をしたスコールの、その年相応な表情を可愛いと思っているのだし。果たしてバッツはマントのようにひっついたままなのだろうか、それともまた別のアクションを起こすのか、そしてその時のスコールの反応はどうなのか、それらを見てみたいと思ってしまう程度には、自分もティーダと同様に面白がっているのかもしれない、とセシルは思う。

「お、止まった」

ティーダの呟きに思考から戻ってきたセシルが見る先では、言葉通りの二人がいた。いい加減疲れたのだろうか、足を止めたスコールが背中のバッツの腕を解こうともがいている。そこでバッツが顔を上げたことで、観察者たちはようやくバッツの表情を見ることが出来た。
―――なんというか、こう言ってはなんだが。

「…バッツ、締まりのない顔してるっスね…」
「…ティーダ、そこはせめて嬉しそうって言おうよ」

とはいえ、セシル自身も同じ感想を抱いてしまった訳だが。鼻の下が伸びている、というほどではないのだが、なんとも嬉しそうというか幸せそうというか。下手したらまわりにかわいいお花でも見えてしまいそうだ。
つい苦笑を浮かべてしまうのは、ティーダも同様らしい。スコールも必死で文句付けようとしているようだが、傍目からでもその効果がないのは明白で。二人の会話が聞こえてくるはずもないのに、その内容を容易に予想出来てしまうのが、何だかおかしい。

「スコールも大変だなー」
「あはは…」
「でも、スコール自身も結構嬉しかったりして!」

笑いながらのティーダの言葉に、セシルは一瞬きょとんとしてから、すぐに微笑んで頷いた。そもそも、本当に嫌なら全力で逃げ出すはずで、スコールにはそれだけの力もあるはずなのに、それをしないでわざわざバッツに付き合っているのだから。ただの諦めと結論付けるには、スコールの子供っぽい表情が否定している。
素直じゃないよな、という呟きにも同意しつつ、いつの間にか二人の体勢が入れ替わっていたのを眺める。スコールを引き摺る、というよりは軽々とおんぶしているバッツに、その意外な腕力の強さを思い知らされると同時に、楽しそうなバッツと更に赤くなりながらもがくスコールに微笑ましさが増した。
スコールがバッツを引き摺っていた時より早く、歩いていってしまった二人を見送って、ようやく観察者たちは物影から出ると、面白いものを見た、と笑い合った。



「…バッツ、下ろしてくれ…」
「やだ。だって疲れたろ?」
「それは…って、あんたの所為だろう!」

ばれたか、と舌を出して笑ったところで、それで誤魔化されてくれるスコールではない。首を反らして頭上を見れば、頬を染めて見下ろしてくるその視線とかち合って、ぷいと逸らされる。子供じみた反応に、バッツは思わず笑い声を洩らすと、むすりと睨みつけられた。

「みんなのとこに着くまでだからさ、素直に甘えとけって」

そんな表情で睨んだって、可愛いだけなのに。微笑ましさに目を細めながらの提案は、スコールに受け入れられたのかどうなのか。その目は文句たらたらといったところだが、バッツの表情に何も言えなくなってしまったらしい。困ったように眉根を寄せる可愛い年下から視線を外して、歩く先へ向いてバッツはそっと笑った。
さっきはきっと手のかかる大人、というより年上と思われて。そして今はきっと、子供扱いしてくる大人だと認識されていることだろう。こんな移り身の早さは、スコールを混乱させるかもしれない。それを分かっていてやっている自分はひどい大人だろうな、と自嘲しつつも、それでもせずにはいられないのだともバッツは自覚している。
彼のいろんな表情、反応が見たくて。いろんな彼を見られるのなら、いくらでも子供になれるし、大人にもなろう。そして、それは決して難しいことではなく、なぜならどちらも自分なのだから。

「…あんたは、よく分からない」
「そうか?でもそれって、まだ分かってもらえる余地があるってことだよな!」
「…意味不明」
「それでもいいさ。何にしたって、おれがスコールを好きだってことは変わらないから」

ばか、と呟いたスコールの腕が首に回って、バッツは嬉しそうに頬を綻ばせた。









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初バツスコ!
…バツスコ?…こ、これでもバツスコ…難しいな…


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