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DFF中心の女性向け・腐注意ブログ
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いつか書きたかったコヨコヨ+スコール せっかくだしマンドラゴラも一緒に
でもウォルスコに絡んでいるかというと…結局ただのばかっぷるだった

なんとなく前の218+518SSSと繋がってるけど読まなくても問題ないです とりあえず探索で1258が組んでる前提ってだけなので









エリクサー、ないの?

足元に佇む小さな小さないきものが、まんまるの真っ黒な目で見上げてそう訴えてくる。コヨコヨ―――召喚獣というには少々異質な気もする彼(といっても性別は不明だ)の力を得てから、戦闘を終えた後に大抵投げかけられてきた“エリクサーちょうだい”という催促が、“ないの?”という悲しげな確認へと変わったのはいつからか。
エリクサーはあるにはあるのだが、以前渡したところ名前は同じでも違うものだったようで、コヨコヨは受け取らないまま消えてしまった。それ以降も呼び出されては催促を繰り返していたが、現在は諦めに傾いているようだ。
うるうるとまるで小さな子供のそれのように大きな目を潤ませて見上げてくる姿は、こちらに非がないにも関わらず罪悪感に苛まれて仕方がない。ふう、とスコールは小さく溜め息を吐いた。

「…悪いな」

小さく謝罪を口にしてその場に膝をつけば、コヨコヨはこよこよと歩いてきて胸に飛び込んでくる。催促が悲しげな確認へ変わってしばらくしたある時、仕方なしにあやしてやるつもりで抱き上げてやってからというもの、どうやらコヨコヨはお気に召したのか、いつものやり取りの後には“抱っこ”を要求するようになったのだ。
はじめは戸惑ったスコールも今ではだいぶ慣れ、コヨコヨを抱いたまま立ち上がり、辺りに敵がいないことを確認する。
そしていつものように、同じく戦闘を終えているだろう仲間のもとへ向かおうとした、その時。

ぴしっ

「!」

何かにひびが入ったような音にスコールは足を止め、辺りへ鋭く視線を寄越す。が、予期していた敵の姿はどこにもなく、代わりのようにズボンが引っ張られて、すぐさま足元へ目を向けた。

「マンドラゴラ…?」

足に纏わりついているのは、コヨコヨに負けず劣らずの小さな体に申し訳なさげについている手だった。これまたコヨコヨと同様に召喚獣としては異質に思える小さな存在が、足止めでもするかのように一所懸命にズボンを引っ張ってくるのに、スコールは敵ではないことに安堵しながら内心首を傾げる。
マンドラゴラは勇者が拾ってきた召喚石だった。だからという訳では断じてないが、それを装備していくことは何度もあった。しかし、こんな風に勝手に出てきたことは無かったのだ。
なんとなく、コヨコヨの時のように膝をついてみせれば、小さな両手がズボンを離れて挙げられる。その姿は、まるで小さな子供が“抱っこ”を要求する動作そのもの。
まさかとは思いつつ、スコールは逡巡するとやがて手を伸ばしてくるマンドラゴラを持ちあげてやった。コヨコヨと同じように胸に抱いてやれば、一所懸命足止めしていた姿はどこへやら、マンドラゴラはすっかり落ちついたようだ。

(似た者同士、か?)

先にいたコヨコヨの方はどことなく居心地が悪そうだが、狭くなった分仕方がない。片腕にはつやつやもちもち、もう片方にはすべすべもこもこ、二頭身が大人しく収まっているのはなかなか微笑ましい。
温かいな、とふとスコールは思う。召喚獣なのに体温があるとは、なんだか不思議な話だが。それでも確かな体温を胸に感じていると、妙に他の箇所が寒く思えてきて、スコールは瞬いた。

(…なんだ、これ)

少し苦しいような、突如襲ってきたそんな感覚に眉を寄せて、思わず腕の中の二体を抱き締めてしまう。とはいえ、二体がもがいたことで我に返ってすぐに緩めたが。それでも胸の苦しさは止まず、二体の温かさがやけに辛かった。
ただ、理由は分からずとも取り除く方法は、なんとなく分かっていた。

「ウォル…」

ぽつり、と呟くや否や、スコールは顔を上げると二体を抱いたまま足早に歩き始めた。
背中が、肩が、頬が、耳が、寒い、だから。



戻った場所に、求め人はいた。
そうやら帰ってきているのはスコールがいた組だけで、他のグループはまだ戻っていないらしい。簡素な装備で休憩しているらしい勇者の他には、バッツとフリオニールが少し離れたところで何事か話していた。
そっと寄るスコールにいち早く気付いた勇者は、腕の中のコヨコヨとマンドラゴラに一瞬不思議そうに瞬いたが、スコールがどことなく表情を曇らせているのを見て、思わず眉根を寄せた。

「どうしたのだ、スコー…」

立ち上がり、歩み寄りながらの呼びかけは最後まで発されることはなかった。というのも、二体を抱いたままのスコールがぶつかるように飛び込んできたから。勇者は珍しく目を丸くするが、擦り寄ってくる感触に表情を心配そうなものへ変えてから、スコールの背中に手を回した。
二体には少々苦しい思いをさせるが、勇者にとっては今のスコールの状態の方がずっと大事なので、そこまで気にかけていられない。

「何かあったのか?」
「…何も、ない。ただ…」

一息空けてから上げられたスコールの表情に、先程見えた曇りはなく、代わりに頬を紅潮させていた。

「…寒かったんだ」

腕の中からじっと見上げてくる双眸は潤んでいて、まるで幼い子供が縋ってくるかのような印象を勇者に与える。表情の曇りが見受けられないことからも、勇者が危惧するようなことは確かに無かったと分かり、それだけで安心してしまえば、勇者に残るのは垣間見えたスコールの幼さに対する驚きと微笑ましさと、愛しさばかりだった。
勇者は目を細めて微笑むと、一旦スコールを放してから元いた場所で腰を下ろし、そしてスコールを手招きした。そうすれば、スコールはどことなく嬉しそうに寄ってきて胡坐を描いた勇者の脚の上へ収まってくる。

今度は、腕の中の二体を気にかけるように背中を向けて。背中が、肩が、寒くないように。
頬が、耳が、寒くないように触れ合わせて、抱き締めて、抱き締められて。





「…大が小を兼ねている…」
「あー…ほんっとかわいいなぁ!」
「ちょ、バッツ、ちょっかい出すなよ!?」
「分かってる分かってる! フリオこそ、声でかすぎて向こうに聞こえるぜ?」
「!!(もがっ)」









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マトリョーシカ→ウォルさん>スコール>コヨコヨ・マンドラゴラ
抱き締める側に回ったら抱き締められたくなった 要は恋しくなっただけでした


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