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DFF中心の女性向け・腐注意ブログ
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現パロでもよかったネタであえてDFF世界
いつも通りの二人です

これからオフ友とエチャってきますーd(*´Д`*)b







スコールとクラウドが探索を終え、秩序の聖域に戻ってきた時には、他の仲間たちは全員帰還し終えていたようだった。
火急の報告などもなく、とりあえず途中で見付けた素材などまとめて入れた袋を置いてくるというクラウドに、ついでだからとスコールの持っていた袋までを奪われてしまっては、残されたスコールは手持無沙汰に装備の点検でも始める他ない。
本当はただ一人を探して視線を彷徨わせたいのを、強い光の気配へ駆け寄りたいのを無理矢理に抑えようとしているのは、単なる気恥かしさでしかなかった。

「戻ったのか、スコール」

手ごろな場所を探して座りこもうとしたところで、声をかけてきたのは勇者その人だった。
歩み寄ってくる表情が、他の仲間たちの視線がないせいかどこか柔らかいのを見て、スコールは照れのような喜びのような感情を浮かべてしまいそうになるのを慌てて抑えながら、座るのも忘れて頷きだけを返す。結局隣に立った勇者に労わるように髪を撫でられたことで、仄かに頬を染めてしまったために、抑えた意味もなくなってしまったのだが。

「…ん?」

髪を撫でていた勇者がふと声を上げたのに、スコールは無意識に俯けていた視線を上げた。
どうしたのかと問うより先に、勇者の顔が近付いてきて瞠目する。口付けられるよりは僅かに離れて、勇者の手が髪を掬ってその鼻先に近付けた。

「ウォル?」
「甘い匂いがする」
「甘い…?」

髪を掬われているためにほんの少しだけ首を傾げて、思い返すように視線を宙へと泳がせてみれば、スコールには思い当たるものがひとつだけあった。
クラウドと探索している間に、勇者の言うような甘い匂いを嗅いだ覚えがある。そういえば、橙の小さな花を見かけなかったか。

「たぶん、金木犀だ」
「キンモクセイ?」
「甘くて強い匂いがする花だ。さっきの世界でそんな花が咲いてた」

なるほどと納得したような勇者は髪から手を放したものの、離れてくれることがなければ、体ごと引き寄せられて髪に顔を埋めてくるではないか。
抱き締められるというほどではないため、鎧で痛い思いをすることはなかったが、それでも髪にかかる勇者の吐息と近すぎるほどの体温に、スコールは逃げ出すことも出来ないまま頬に更なる朱を昇らせてしまう。それこそ、勇者の匂いすら感じてしまいそうな距離に。
大きな手がくしゃりと髪をかき上げてくるのに、そんなに金木犀の匂いが気に入ったのだろうか、と逃避気味に考えてみる。

「…き、金木犀、見てみたいか?本物のはもっと強いし、甘いし…」

金木犀のある世界は聖域から遠くもなければ、今すぐ消えてしまいそうなほど不安定でもなかった。
どうせならこんな移り香よりもちゃんと花そのものから嗅いでみた方がいいんじゃないのか。なにより、これではこちらが恥ずかしすぎる。
そう思ってのスコールの提案だったが、勇者は少し逡巡したように間を開けてから、ようやく髪を弄るのを止めて視線を合わせた。

「見ては、みたいが」
「見ては?」

興味こそあれ、勇者の言葉のなかに微妙な否定を見取って、スコールが首を傾げれば。

「匂いは…もう少し弱い方がいい」

―――そうでないと、君の匂いが消えてしまうだろう?

そう髪をひと房掬っては、そっと微笑みながら言うものだから、何も返せないまま再び頬を染めるしかなく。
仕返しとばかりに勇者の髪に顔を埋めながら、たとえ金木犀を見つけても近付くまい、あるいは勇者を近付かせまい、と密かな決意をしてしまったスコールだった。



「荷物を置いてきたから報告―――は俺一人でいいな」

そう呟くと、クラウドは他の仲間たちの方へと忍び足で向かったのだった。









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大学で金木犀の匂いがしたので どこにあったんだろう
昔はあの独特な匂いが苦手だったんですが、今は普通にいい匂いだと思いました 歳か…


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