DFF中心の女性向け・腐注意ブログ
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思いつきSSS
一応DdFF設定ですがほとんど関係ないです
一応DdFF設定ですがほとんど関係ないです
つんつん、つんつん
「硬いな」
いきなり腹をつついてきて、そんなことを呟いたスコールに、勇者は一瞬反応が遅れた。
男性であるし、戦士であるし、スコールよりも体格もいいし(これは決して口に出せないが)、だから当然なのだが、だからこそ何と言ったものか困ってしまったのだ。
ただの独り言の可能性も十分にあるが、勇者としては、多弁ではないスコールと会話できるチャンスを逃したくはない。なにより、あまり腹ばかり弄られるのもくすぐったい。
ということで、ちょっとした仕返しのつもりで、勇者はスコールの腰を掴んでみた。
「うわ!?」
小さく悲鳴を上げて、びくっと肩を跳ねあげるスコール。勇者はそのまま確かめるように腰に触れた手を動かした。
何度も触れてきた身体ながら、細いと毎回思ってしまう。十分鍛えられてはいるのだが、体質か、あるいは若さゆえの未成熟さが表れた肉の薄さ。
仕返しのつもりであることも忘れ、「やめろ」の声も無視してつい触りすぎていると、ついにスコールから鉄拳が落ちてきた。
「やめろって、言ってるだろっ、バカ!」
「君こそ私の腹を触っていただろう。だから仕返しに」
「度を越えてる!」
「気のせいだ」
殴られた頭をさすりつつも、いけしゃあしゃあとした物言いではスコールの溜飲がさほど降りるはずもない。眉根を寄せながら今度は顔へ手を伸ばしてきたのを、何をする気かと勇者は少し楽しみにしながら待ってみた。
両手で両頬が挟まれ、ぐっと力を入れられる。
「……『ピヨピヨ口の刑』」
神妙な顔で呟いたと思うと、ふ、とスコールが噴出した。
一方で勇者といえば、スコールの手によって唇を突き出したままの顔で不思議そうに瞬くばかり。何かの刑罰なのだろうか、スコールの口にした単語の意味が分からない。
ずいぶんとぼけた風に見えるのか、その表情がまたスコールの笑いを誘った。
「前、ラグナがヴァンにやってたんだ。あんた、かなり変な顔になってる」
そう言ってからようやく手が離れる。一応これで、許されたということなのだろう。
それは喜ばしいことだろうが、しかし勇者は思い当たることがあったのか、晴れない顔つきで口を開いた。
「しかしそれでは、抱き締めた時には君にいつも痛い思いをさせてしまっているのだろうか」
「え?」
「硬いと言っていた」
鎧を纏っていなくても決して軟らかさのある身体ではなく、その上力も強い。抱き締めるたび、スコールは苦しい思いをしてしまっているのかもしれない。
そんな危惧を覚えての勇者の呟きだったが、スコールは一度呆気にとられたような表情をしてから、怒ったように顔を顰めた。
「別に、硬いのは俺だって同じだろ」
「それに」と続けるスコールの頬が、ほのかに赤くなる。
「加減するときはしてくれるし……あんたに抱き締められて、痛かったり苦しかったりするのは、嫌じゃない」
だから触れるのを止めてくれるなと、抱き締めてくれていいのだと。
スコールが怒っているのは、勇者が余計な不安を覚えてしまったことに対してだろう。しかし、勇者までが頬を染めてしまうのは、スコールの言葉が嬉しかったからに他ならない。
無言で見つめてしまう先で、スコールは照れからの居心地の悪さに身じろいでから、困ったように勇者を呼んだ。
「おい」
「今、君を抱き締めてもいいだろうか」
「……さっきみたいな、くすぐったいのじゃなければな」
ついでに“ピヨピヨ口の刑”を施行した時のことを思い出したのか、小さく笑い出したスコールに、勇者もつられて笑ってしまいながら細い身体を抱き寄せた。
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抱き締める、言いすぎた
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