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21で28で18なお話その3 でも今回21要素も28要素も少ない…18要素すら?いやんなこたーないか
18はただのばかっぷるです
明日(今日)の試験が終わればフリーだ!やっと絵描ける!
18はただのばかっぷるです
明日(今日)の試験が終わればフリーだ!やっと絵描ける!
「すごい風だな…」
びゅうびゅうと音を立てながら吹き荒れる暴風のせいで、言葉はかき消され、思うように足が進まない。それも風向きがあっちこっち変わるものだから、進める脚が絡んでバランスを崩しそうになる。見上げた先のウォルですら、いつもの無表情を歪ませて、それでも傍らのスコールを気にかけているようだった。そのスコールはといえば、俺やウォル以上に歩くのに苦心しているようで。
本人の前ではとても言えないが、スコールは細い部類に入る。その上軽装なのだから、鎧を纏っている俺やウォルに比べて体が煽られてしまうのも当然だ。必死で踏ん張りながら歩く姿は、傍からも辛そうに見える。
「大丈夫か!?」
「…っ」
振り向いて、少し遅れているスコールに叫ぶも、返されたはずの言葉が聞こえない。風の向きの影響があるにしたって、もはや声量を上げる気力すら奪われているのかと思うと、気が気でない。くっとウォルの眉根が寄ったのを見るに、彼も俺と同様らしい。
くそ、と毒を吐きながら辺りを見回しても、先の見えない広大な海に架けられた大きな橋の上の一本道では、風を凌げるような場所は見付からない。どこぞの小さな魔法使いが荒ぶってエアロガでも唱え散らしているんじゃないか、などと風そのものや憶測に恨みを向けても風が弱まるはずもなく。
とにかく、早くどこか別の世界へ抜けなければ。
「うあっ…!」
「スコール!」
聞き取れた悲鳴と、スコールの名を呼ぶウォルの声に、慌てて足を止めて振り返れば、ちょうどウォルがスコールを抱きとめたところだった。力尽きた、とは言わないまでも、相当に体力を奪われているらしい。こちらまでバランスを崩してしまわないよう、気を付けながら二人へ寄ると、スコールの荒い息遣いが聞こえた。
「一旦止まった方がいいか?」
こんな風の中ではロクに休めるとは思えないが、このまま突き進むよりはいいのではないか、と考えてのことだったが、スコールはゆるゆると首を振った。
「大、丈夫…それより、早く抜けた方がいい」
「でも…」
「…なら、私が支えていこう」
ウォルの言葉に俺は、え、と戸惑いを向けた。それはこんな状態のスコールを歩かせようと、彼が判断するとは思わなかったから、なのだが。
実際にウォルがスコールを『支える』のを見て、戸惑いは綺麗に消えた。
「なっ」
ひょい、と。風が吹き荒れているのも忘れるくらい、それはもう至極自然な仕草でスコールを抱き上げたのだから。
なるほど、それなら歩かせずに済むけれど。でも、その発想はなかった。というか、今までこの暴風を突き進んできて、人一人抱えられるほど体力が残っているのは、さすがリーダーと言うべきなのか。
「ウォルっ、これ“支える”と違う!」
「行くぞフリオニール」
「聞けよおい!」
ぶわ、と吹いた風に慌ててしがみついて、その先がウォルなものだから赤くなって。何だか元気が出たように見えるスコールに安心しつつ、そしてウォルが輝いて見えるのも幻視ではなさそうだと思いつつ。
いいなあ、俺もあれくらい頼もしくなれたらなあ、なんて。そんなことを考えてウォルの後を追いながら、そういえば今二人とも両手が塞がっているじゃないか、ということに気付いた。
「じゃ、じゃあイミテーションが出てきたら任せてくれ!」
そう唐突に宣言してみれば、振り返ったウォルに驚いたように見つめられて。妙にどきどきしながら言葉を待ってみれば、少しの逡巡の後に返ってきたのは小さな笑みと肯定だった。
やった!と気が大きくなった勢いで二人の前に出ようとしたところで、一際強い風が吹いて、うっかり足がもつれてしまう。
「フリオニール!」
倒れる、と思った瞬間、ウォルに抱えられたままのスコールに腕を掴まれて持ち直した。
粋がっておきながらこれか、と恥ずかしさに俯きそうになって、ふと腕が掴まれたままだったことに気付く。あれ、と思いながらスコールを見遣れば、どこか心配げな表情があって、どきりとする。
「その、イミテーションは出ないから」
「出ない?」
「たぶん…だけど」
だからあんたも繋いでろ、とばかりに腕を掴む手に力を込められて、反論出来るはずもなく。“たぶん”と言う時に視線が泳いだのは見えたが、まぁいいか、と気にしないことにした。
ウォルに抱き抱えられたスコールに、腕を掴まれて支えられる俺。確かに、先程までよりは転倒の危険も少ない気がするし。ウォルがバランスを崩したら巻き込まれかねないが、今の状態を見ていると問題なさそうだし。というより、スコールを抱えている以上、彼がそんな失態を犯すとも思えない。
俺の納得したような顔を見て、ウォルは頷くとゆっくり歩き始めた。
二人を先導するように足を進めるその後ろで、空から現れたイミテーションが問答無用で一体残らず暴風に吹き飛ばされているのを、俺だけが知らないままだった。
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イミテーションがたぶん現れないというのは風に流されて来れないから…というわけでした
我ながらツッコミどころ多い話だとは思いますが、敢えてスルーしてくださ…っていつものことか>ツッコミどころ多い
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