DFF中心の女性向け・腐注意ブログ
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あんまりエチャログばっかなのもあれなので昨年のイベントで無料配布したものの一部だったSSSでも
少しだけ加筆してます しかし半年経った文章でも今と大して変わってないというのは…成長してないってことか、少なくとも文字は…
絵ぐらいは…成長してるといいなぁ
ちなみに甘いもの好き設定ウォルさんです
少しだけ加筆してます しかし半年経った文章でも今と大して変わってないというのは…成長してないってことか、少なくとも文字は…
絵ぐらいは…成長してるといいなぁ
ちなみに甘いもの好き設定ウォルさんです
テントの中、男二人が向かい合って黙々と食している光景はさぞかし奇妙に違いない。それも、食べているものが甘いクッキーともなれば、奇妙さは増加の一途を辿る他あるまい。とはいえ、今ここにはその奇妙さを咎める者はいない。気付いているのも自分だけかもしれない。この、目の前でクッキーをひたすら口に運んでいる眩しいヤツは、たとえ奇妙だとて気にしていないに違いない。
(…いつ見ても意外というか…)
確かに、甘味の少ない闘争の世界で、果物とは違う『お菓子』を食せる機会というのは貴重である。
偶然見付けた住む者のいない町の、生活感ばかりが残る民家から材料を頂戴でもしなければ、到底お目にかかれるものではない。そしてフリオニールやバッツ、意外なところでジタンの作るお菓子は美味しい、それは本当に。
だからといって、この光の体現者のような屈強な戦士が好んで食すには、いささかギャップが激しくなかろうか。
「君も食べなさい」
「あ、ああ」
ちょうどかけられた勇者その人の声で我に返り、クッキーに手を伸ばす。だいぶ数が減ってきたが、勇者の食すペースを考えれば妥当な減りだ。口に運べばバターの香りが鼻孔を撫でて、口に入れれば舌には過ぎない甘さ。相変わらず大した腕だと感心しつつ、楽しそうにお菓子を作っていたバッツを思い出す。
思えば、こうして勇者と二人でお菓子を食べるのも、数度目かになっている。珍しさか何なのか、どうやらお菓子を食べたことのなかったらしい(少なくとも記憶にはなかった)勇者が初めて食べたお菓子をえらく気に入ってから、こうして相伴に与けさせられるようになったのは、いつだったか。お菓子を嬉々として食べる勇者が意外すぎて、他の情報がすっかり抜けているらしい。
そんなことを考え考え、クッキーの盛られていた小さなカゴから一枚を手に取ったところで、これが最後であることに気付いた。
「あ…」
勇者は何も言わないが、これは自分が食べるべきではない気がする。
いつまでも口に運ばない自分を訝むような勇者の眼前にクッキーを差し出せば、首を傾げられた。
「…あんたが食べればいい」
元々自分はそこまでお菓子が好きなわけではなく、ならばなぜ食べていたかと言えば、頻度こそ少なく、そして腕のいい仲間が作ったものであるからでしかない。だから、勇者の方が甘味を好んでいるのは明らかなのだ。
なのに、差し出された勇者といえば、クッキーを受け取るどころか首を振って拒んでくるではないか。
「君が食べるといい」
「いや、別にそんなに食べたいわけじゃ…」
「君が食べるべきだ」
―――断定かよ!
どうも勇者は自分に食べさせたいらしい、薄氷の目はクッキーではなく自分をまっすぐに見据えてくる。いまいち釈然としないまま、このまま持っていても仕方ないと諦めて、最後の一枚を口に運んだ。
クッキーを咀嚼しつつ、「次にこれが食べられるのはいつだろうか」とふと考えて、次いで驚いた。自分もなんだかんだ言って楽しみにしているのだろうか、それでは勇者のことも言えまい。そんな自分自身に呆れつつ、最後の欠片を飲み込んで息を吐いた。
(…なんというか…)
今更だが、食べてしまって本当に良かったのだろうか。こちらを見てくる勇者の視線が妙に痛く感じるのは、果たして気のせいなのか。とはいえ、食べる“べき”とまで言ったのは勇者自身なのだから、こちらに非など有るはずがないのだ。
「…ごちそうさまでした」
まさか食後の挨拶を強要しているわけでもないだろうが、なぜか黙っている勇者のせいで何でもいいから言葉を出さないと、いかんせん空気が重い。何事かを考え込んでいるようにも見えるが、一体何を考えているやら検討もつかない。
ついついじとりと睨み上げてしまうのも、仕方ないだろう。
「……あんたが俺に食べろって言ったんだからな」
「ああ、そうではなくて」
やっと口を開いた勇者に、スコール、と呼ばれて。
「『くっきー』がついている」
と勇者の手が頬に触れた、と思えば。
「…!?」
ぱくり、と。口端を食まれた。
それはもう盛大に驚いて、思い切り飛び退けば勇者はくすりと笑った。
「ごちそうさまでした」
「……っ」
何考えてるんだ。ついでに舐めやがって。言うの遅くないか。そもそもクッキーなんてついていたのか。
とにかく言いたいことはたくさんあるというのに、口はぱくぱくと開閉して言葉を出してくれそうにない。至極珍しい勇者の、笑みに混じった悪戯な色が腹立たしくて、余計に恥ずかしい。
「私はこのような菓子も好いている、が」
唇でゆるやかな弧を描いたまま、そっと身を乗り出した勇者が距離を詰めてきても、みっともなくしりもちをついたまま、今度は手足が動かない。その代わりなのか、頭の方が少し動くようになっていて、どこか浮ついた思考が回る。
そう、甘いお菓子なんて別に大して好きじゃない。ふたりの時間、それが、自分がここでお菓子を食べる理由。作ってくれる仲間たちへの少しの罪悪感と、それでも否めそうにない感情が、確かにあった。
(…ああ、あんたの言いたいことは)
―――菓子より甘い君の方が好き
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こんなばかっぷるを配布しとったのか自分ウボァ(いつものことです)
更に誤字というか語句の勘違いを発見してウボァ(いつものことです)
見付けちゃってもスルーしてあげてくださいウボァ(いつものことです)
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