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DFF中心の女性向け・腐注意ブログ
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生きてます! 更新出来てなくてもウォルスコにはいつだって萌えてますよふふふ

閑話休題、5万HITリクその1はありすさまリクの「4thネタでお互い惚れ直す18」になります。ちなみにSSです。
前半ウォルさんが調子に乗って後半オール風味にばかっぷるとなってます。早い話がコメディ(のつもり)です。
カッコいいふたりはいません、ご了承くださ い ゲフ っていつものことですg

よろしければ受け取ってやってください…!





コスモスがカオスによって滅せられてからというもの、世界は秩序を失い、戦士たちも遺されたクリスタルによってなんとか存在を留めるまでの状況に陥っていた。しかしながら彼らの結束は強く、相互の想いによって彼らの存在は容易く失われることはなかったが、それでも不安定であるためか、揺らぐことが時折起こるようになっていた。それは記憶であったり、身体能力であったり。そして姿すらも、突然見覚えのないものへと変貌していることがあった。
たとえばジタンの衣装の色が変わるといった小さなものから、ティナの髪が緑色になっていたり(その上なぜかタイツが無くなり、ちょっとした騒動になった)、クラウドに片翼が生えていたり(セフィロスとは類の異なるものだったことにひどく安堵していた)といった、常では考えられないようなことまで起こり、その度に戦士たちは驚かされ、揺らぎの不安を抱えながらも、害がない以上は、と予測不能な姿の変化を敢えて楽しもうと努めるようになっていた。
とある日にはバッツが銀髪になり(妙にサディスティックそうだと専らの評判であった)。そしてまたある日には、

「どうして上だけ脱いでいるんだい?」
「や、なんか服が見付かんなかったんスよ」
「私のタイツが無くなったのと同じなのかしら…」
「タイツ…あ、ああ、あれか」
「ちょっとティーダ、ティナに近付かないでよ! フリオニールも何赤くなってるの!!」

上着がなくなったとティーダは言うが、盗んだ犯人がいるわけでもない。結局、元に戻るまでティーダ(とついでにフリオニール)はオニオンによってティナに近付くことが許されなかったのだった。
そして翌日、拠点にした屋敷でのこと。

「…スコール?」

これまでに変貌した仲間の時以上に見開かれた勇者の双眸を見て、寝起きのスコールが不思議に思うも束の間。勇者が起き上がっている以上、肩に髪が触れるならそれは自分のものでしかない。己の首元に手を遣り触れたのは、皮膚ではなく確かに髪だった。

「……長、い?」

一気に目覚めて上半身を起こしたスコールは、覗き込んでくる勇者がいるのにも構わず、ガンブレードを発現させて刀身に自分の姿を映す。目と鼻の先で剣を出されて反射的に飛び退いてから、背中に冷たいものを伝わせつつ咎めるように勇者がスコールの名を口にするが、生憎と耳に入っていなかった。
一晩での量とは思えないほど伸びた髪ではあるが、他の仲間の例のような、色が変わったなどという変化に比べれば割合大人しくも思える。戸惑いこそしたものの、すぐに落ち着きを取り戻したスコールは、溜め息にも似た息を吐きながらガンブレードをしまった。そこで、ようやく勇者がこちらをじっと見つめていることに気付いた。

「なんだ? …ひゃっ!」

慌てて手で口を塞ぐが、漏れてしまった声は元に戻せない。目許を染めたスコールは、口を覆ったまま恨めしげに勇者を睨み上げた。それにも構わず、声を出してしまった元凶である勇者は、髪の伸びた部分と一緒にスコールの首筋を撫で上げている。いきなり何を、との抗議も込めて、自由にした片手で勇者の片腕を掴むが、それだけで勇者の動きを制することができるはずもない。薄氷の目に踊る不穏な光を見るに、首筋に触れる指先が髪を巻き込むせいでむず痒くて仕方がないのも、声を抑えるために両手が使えないのも、勇者の狙い通りなのだろう。

「う、ウォル」
「見えないのだから、触れてもいいだろう」
「何、がっ」

ここが、と言葉で示される代わりに、髪が伸びたことで隠れた項をくすぐるように引っ掻かれて、細い肩がびくりと跳ねる。
弱い部位を弄られ続けた所為か、スコールの海色の目はわずかに潤み、ついさっきまで睨むために上がっていた眉尻は下がっていた。それにひとまずは満足したのか、勇者は指を止めてやってから、心なしか縮こまっていた体を抱き上げて、自身の膝の上に乗せた。
首筋ではなく背中を大きな手のひらで撫でられて、安堵したようにスコールが勇者の肩口で息を吐く。

「…もしかして、怒ってたのか?」
「いや? 可愛いのも、髪の触り心地も変わらないが、髪の長い君は新鮮だと思っていた」
「バカなこと言うな、バカ」

おどけるように言ったその頬を力なく叩かれて、勇者は軽く口端を上げてみせた。目の前でガンブレードを出されるのも、呼んだ名前を無視されるのも面白くはないが、スコールに言ったことは決して嘘でもなかった。なにより、スコールが腕の中で恥ずかしそうに頬を染めてくれるのを見るのは、不満をすっかり水に流してしまえるほど楽しいし、嬉しいものだ。
そんな少し意地の悪い考えが笑みに出てしまったのか、勇者の顔を見たスコールは不愉快そうに眉を潜めるが、怒らせたと思いこんでいる手前、逃げ出すことなく緩く抱かれるままでいる。それでも、背中の手が首に近付くと体がわずかに強張るものだから、少しやりすぎてしまったかと勇者は密かに反省した。その、やりすぎてしまった理由も、弄る度にスコールの細い肩からさらさらと滑り落ちる髪に、つい見惚れてしまったからなものだから。
慰撫と詫びと、こっそり役得な思いも込めて、口付けようと勇者がスコールの頬に手を移したその時、ばたんと音を立てて部屋の扉が開いた。

「フリオにリーダーの角が生えっ……あ」

仲間たちの暗黙の了解とでもなっているのか、よほどの事態でもなければ、勇者とスコールがふたりきりでいると分かっている部屋、あるいはテントをノックや合図もなしに開く者はいなかった。だから、油断してしまっていたのだろう。
扉を蹴破る勢いで入ってきたジタンは、まさにキスの直前であった恋人たちを前に、ブレイクでもかけられたかのように動きを止めた。それはスコールも同様で、唯一いつも通りの勇者はジタンを振りかえり、「どうした」と声を掛けた。

「……っ」
「…えっえーと、その! 敵襲とかじゃないし、“アレ”のことだから、ゆっくり来てもいいからな? …お邪魔しました!」

ロクな返答もなしに、逃げるように出て行ったジタンとしっかり閉められた扉を呆然と見ていたスコールだが、石化が解けた途端に顔を真っ赤に染め上げた。ついで今更勇者の腕から逃げようとするもあっさりと捕まり、熱くなった頬を撫でられながら今度こそ唇が触れて、再び動きが止まる。

「…フリオニールに、何かあったようだな。おそらくは、君の髪と同じようなものだろうが」

赤い顔のまま小さく頷いたのを見るに、自失はしていないようだ。勇者は暗褐色の髪をもう一撫でしてから、ようやくスコールを解放してやった。
そうして夜着を着替え始めてから、ふたりは変化がスコールの髪とフリオニール以外にも起こっていたことを知ることになった。



「お、やっと来たか! …って、あれ?」

勇者とスコールが部屋を出て来れば、フリオニールを囲っていた皆が振り返り、そして一様に首を傾げた。

「ウォル、兜は?」
「スコール、髪長くね? というか、服も結構違ってんな」

オニオンとティーダの質問に、勇者とスコールは一度顔を見合わせてから小さく息を吐いた。

「兜は見付からなかったのだ」
「…髪と服が“変化”してた」

それぞれの質問にそれぞれが答えれば、仲間たちの視線は主にスコールの全身へと注がれる。スコールの服の普段との相違点としては、半袖が無くなった以外にもファーがなくなり、そしてベルトが増えていた、等。かっこいいじゃん、と本気なのか揶揄なのか分からない声や、ティナのなんとも残念そうな視線を受けつつ、スコールは普段が長袖なだけに腕を晒しているのが何となく落ちつかないのか、単に仲間の視線に居心地の悪いものを感じたのか、無意識に腕へ手を遣っていた。その様子を目ざとく見つけた勇者は、己のマントを外すとスコールの肩に掛けてやった。

「なっ…」
「はいはいごちそうさま! ところで、兜が無いんだって?」
「てことは、フリオのツノはウォルから移ったのか!」

乗り出してきたバッツの言葉に上がった笑い声に文句をかき消されたところで、仕方なくマントを羽織ったままのスコールと勇者は、そこでようやくフリオニールへと目を向けた。ジタンとバッツ曰くのツノが伸びている以上、意識せずとも目に入っていたのだが、改めて見てみればなるほど、フリオニールのツノは勇者の兜にもあったそれによく似ていた。
生えているというのはもちろん本当の意味ではなかったが、勇者のように頭部全体を覆うような兜でもない。そのため露わになっていた銀の髪も、少々型を変えてもいるようだ。鎧も色と形を変えている。勇者とスコールに物珍しそうに見つめられて、フリオニールはぎこちなく笑ってみせた。

「しっかし…今まででもそうだったけどさ、なんか落ちつかないっスね」
「たしかに。ウォルじゃなくてフリオにツノ生えてるの、いまいちピンとこないもん」
「いい加減“生えてる”って言い方は止めてくれないか…」
「一番戸惑ってるのは本人だよ。君たちも、結構変わってたじゃないか」
「そうだよ、ティーダなんて服なくなっちゃうしさ。まったく、ティナがいること分かってるの?」
「いや、そもそもあれはオレのせいじゃないし!」

フリオニールの苦言に苦笑しつつ、咎めるというには柔らかな声音でセシルが言い、それに同意するついでに以前の騒動を掘り返すオニオンにティーダが食ってかかれば再び上がる笑い声。ティーダが詰られるのを聞き流しつつ、スコールはふと隣の勇者を見上げた。
いつもの鎧を纏っていながら、いつもの兜がない勇者。露わになった髪は綺麗な水の色を纏って、好き勝手に跳ねている。何度も見てきたはずなのに、紺碧の鎧から兜をなくしただけで物珍しく感じてしまうのは、印象を変えてしまうのは、どうしてだろう。
視線に気付いた勇者がちらりと目を向けてきたのにも構わず、スコールはじぃと朝日のもと兜の無い頭部を見つめて、思案にふける。
鎧を纏い兜だけ被らない、そんな状態の勇者は、たとえば加護の残る地での休息であったり食事の時であったりすれば、さほど珍しいものでもない。だからなのか、兜の無い勇者に戸惑う様子は仲間たちにはさほど見受けられない。それなのに、どうして自分はそれを珍しいと思い、視線が外せなくなっているのだろうか。

(…そういえば、なんか表情が硬いような……あ、)

たまたま勇者と見つめ合うかたちで真向かっていたスコールは、唐突に目を見張った。
兜と髪のせいで隠れてしまう白い顔が、よく見えている。そのせいで、ふたりきりの時に見せる顔と、皆がいる時に見せる顔は違うのだと、ぼんやりと分かっていたはずのことを、今になってはっきりと認めてしまったのだ。

「スコール?」
「っ! う、うるさい、呼ぶな、ばか」
「スコール、どうしたの?」

いきなりそんなことを言うなんて、と心配するティナの声も耳に入らない。勇者が自分を呼ぶ声が訝しげだと分かりはしたが、その声も表情もふたりきりの時に比べるとあまり露わでなくて―――そう比較出来てしまう自分が、恥ずかしくて仕方がなくて。
なんだなんだと仲間たちの意識の矛先が戻ってくるのに、スコールは自覚していた以上に慌てていたらしい。

「あ、あ、朝飯! 作ってくる!」
「えっ、今日の当番はおれ……」

バッツが制止するのも聞かず、赤くなっていると容易に予想できる顔を隠すために、簡易キッチンへと飛び込んだのだった。

「ひとりで赤くなってたな。まぁ、当然あんた絡みだろうけど」
「当然、ね。今は放っといてやろうぜ、リーダー?」
「……そうか」

見破られていることを示すクラウドの言葉が聞こえていないのはスコールのみ。ただし、聞こえた全員がそれを理解できているとは限らないわけで。内心だけ不思議そうにしながら、引っ込んでしまったスコールを追おうとした勇者を、ジタンは苦笑混じりに引きとめた。



(…意外に、優しい顔してくれるのを知ってる。みんなの前だと硬くなるけど、でもかっこよくて…って、何考えてるんだ、俺!)

一体、どれだけ惚れているのやら。
がん、と包丁をまな板に打ち、そのまま項垂れる。すると、長くなった髪がさらりと滑り落ち、まな板にいつもより長い影を作った。前髪が落ちるよりも煩わしく感じ、少々苛立たしげに髪を掻き上げようとして。
自身の指が触れるより先に、別の指が髪を掬いあげた。

「う、ウォ…ル」
「どうしたのだ。体になにか、異常でもあるのか?」

先程皆の前にいた時よりも、分かりやすく感情が見えて。薄氷の双眸は純粋に心配そうなのに、一方で無意識なのか指が髪と首筋に触れているせいで、数刻前に弄られたことを思い出してしまって。
耳まで赤くして黙りこくってしまったスコールに、首を傾げた勇者の跳ねた髪が揺れる。びく、と肩が強張った。

「…た、たのむから、もう……」
「ん?」
「……あっちに、いけーーーっ!!」

叫ばれると同時に護るもののない頬に平手を貰いながら、キッチンから追い出された勇者を見て、仲間たちは“やっぱりね”という風に肩を竦めた。
だから、放っておけと言ったのに。それでも心配だからと、結局追いかけてしまったのだから。そんな内心の声は、勇者をキッチンから追い出すのに必死なスコールと、スコールの尋常でない様子にキッチンに入ろうと躍起になっている勇者が、知る由もなかったのだった。









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ばかっぷるですみませんでした!(第一声)
惚れ直している…だろう、か…もっとカッコイイ感じの惚れ直しシーンを書きたかったのですが、上手く繋がらず断念しましたorz

リクエストありがとうございました!

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