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DFF中心の女性向け・腐注意ブログ
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長編パロディ、設定はこちら

絵を描きたかったんですがちょっと体調が良くなかったので(今は大丈夫ですが)長編進めました
…わ、忘れてなかったんだからね!

やっとライトさん登場ー
あと字下げやめました 前の分もいつもの形式に直してます








魔力を持ち翼宿す民である有翼人が所有する、唯一にして大規模な騎士団、ルフェイン騎士団。その本部は、有翼人の集落と同様に人間のそれと同じ次元にありながら、有翼人の長たる者の魔力によって、同名を冠する浮遊大陸ごと人間の目から隠されていた。
白く洗練された内装でありながら、長い廊下を流れる空気は反してどこか重く、物々しい。人間との歪んだ対立を鬱蒼と秘めたような、殺気にも似た雰囲気は心休まるものとは到底言えないが、長い確執のために染みついてしまったものでもあった。
有翼人の長、コスモスは人間に傷付けられ今なお眠り続けていると伝えられ、代わりを務めるカオスは人間からの迫害を呪い、恨みを謳う。その深さたるや、同胞へ擦り込んでいるとも言えるほどだった。
そのような中では、むしろ殺気立っていた方が心地よいのかもしれない。だが、大部分がそうだったとして、有翼人のすべてがそうだと言うわけでも勿論ない。主から迫害を聞かされ、それでも人間との対立を憂いる者は、騎士団にも存在する。
鍛練を終え、長い銀の髪を揺らし廊下をひとり歩く青年もまた。

「ライト様!」

背後からの声に、ライトと呼ばれた薄青い羽を持つ青年は振り返った。羽と似た色の双眸に真正面から射抜かれて、呼びかけた男は襲ってきた緊張につい背筋を伸ばし、ついでに灰色の羽を固まらせてしまう。その視線の強さたるや、『やっぱ何でもないです!』とその場で背を向けて逃げ出したくなるほどであるが、自分には報告するという任務があるのだ、と男は自らを奮い立たせてどうにかこうにか口を開いた。

「あ、あの、トーシュの森にオチューが大量発生しています」
「トーシュに、オチュー…?」

やや辿々しくなされた報告に、ライトは傍目からはそうと分からないほど僅かに眉を寄せる。
最近、各所で魔物の大量発生が相次いでおり、その中には本来生息が確認されていない種類のものも含まれている。今回もまた、報告された森でオチューが生息しているとは、今まで聞いたことがない。
この不可解な大量発生は今や有翼人と人間の両種族の問題であり、各々で原因究明に向けて動いているのだが、一向に掴めていないのが現状である。
ただ、研究員でもないライトがなぜと考えるよりも先にすべきことは、魔物を駆除すること。
それに、今その森には恐らく―――。

「トーシュの2-Bから6-Eまで、広域に拡がっています。確認しただけでも、三十ほど」
「すぐに向かおう。動ける者から十数名、到着次第殲滅開始と伝えてくれ」

報告に頷いて返し、そう言うや否や、ライトは濃蒼の鎧を発現させると、白い騎士服のみであったその身に纏わせる。武装することでより強まった眼光を受け、男は一度息を飲んでから「了解」の言葉を絞り出した。
重装備の見た目に反して素早く駆けていったライトの、薄黄のマントが翻る背中を見送ってようやく、男は詰めていた息を大きく吐き出した。魔力の強さはこちらの方が上だというのに、あのプレッシャーにはどうにも耐えられそうもない。
さすが、物理攻撃隊の隊長を務めているだけある。そんな妙な感心すらしながら、男はライトの命を隊員たちへ伝えるべく、足早に宿舎へと向かった。
一方のライトは長い廊下を駆け抜けながら、思案するように軽く眉を顰めていた。

(転移装置…否、早い方がいいな)

浮遊大陸から地上の各地点へ繋がる装置が鎮座する部屋をすり抜け、そのまま進んだ先にある、今は眠る主コスモスの意向によるらしい白いアーチをくぐると、赤い薔薇の彩る中庭へと出た。休憩時間でもないこの時間に人気は無く、庭の真中にある噴水が静かに水を流す音のみがある。
急いでいたはずなのに、その静寂を破ったことで一瞬得てしまった罪悪感を振り払いながら、ライトは小さく息を吸って何事か呟いた。そうして発現させたのは、青く澄んだ水晶柱。手の中で淡く光るそれを握り締め、もう一度口にするのは転移魔法。
呪文自体は小さく、まるで誰にも聞かれないようにと気を付けているようで、そこで気配を探るように一旦言葉を止めてから、続けて小さく呟いた。

「……“スコール”」





「くそ、こんなやついるなんて聞いてない!」

醜悪な大口を開け、迫る魔物の群れ。ひたすら唸り向けられる、鞭のような太い触手を避けながらひたすら逃げを打つも、未見の敵によってスコールは傷付き、直撃した木々はなぎ倒されていく。G.Fで能力の底上げをし、更に召喚を行うことで何とか応戦しているが、G.F自体そう頻繁に召喚できる代物でもなければ、なにより多勢に無勢だった。
目的とする獲物が見付からず、深くまで進んでしまっていたことが仇となったか、出口は未だ見えない。

"情報に、間違いがあったのでしょうか…"

焦りに支配されそうな中でどうにか冷静を保たせている頭の中、思案するようなシヴァの言葉に首を振る。

「…分からない。そうかもしれないし、もしくは…っ!」

もっとも近い魔物によって倒された大木が眼前で倒れるのをすんでのところで避けたものの、乗り越えようとして、幹に足を取られてバランスを崩してしまう。一瞬生まれた隙に、一気に距離を詰めてきた触手を咄嗟に凍らせるが、量が多すぎる。

「くそっ!」

舌打ちをした、その耳には触手が風を切る音。なんとか手放さずにいた剣を盾にする間もなく、やがて来るだろう痛みに歯を食いしばった。

「スコール!」

届いたのは名前を呼ぶ声と、空気と何かが切り裂かれる音、そして魔物の鳴き声。打撃を与えてくるはずだった触手は途中で斬られ、断面から植物らしい白い液体を散らした無残な様で、ぼとりとスコールの傍らに落ちた。
樹液のようなそれがグローブに着いたのにも構わず、瞠目したそのままで立ちふさがるように立つ背中を見上げる。薄黄色のマントから、薄青い羽が透けて生えている。

「…ライト?」

やや呆然と、確かめるように呼べば視線と頷きが返ってくる。みっともなく尻餅をついた状態から立ち上がっている間に、ライトに睨みや殺気でも飛ばされたか、魔物が怯むのが空気で分かった。
とはいえそれで帰ってくれるようなら、魔物の存在がここまで危険視されることもなく。再び数多の触手が掲げられるのに、ライトは兜と髪に隠れた眉をわずかに顰めた。

「数が多い、一度引こう」
「分かった…つっ」

油断なく魔物へ目を向けながらかけられたライトの提案にスコールは同意し、駆けだそうとしたところで、足首に走った鈍痛に思わず声を上げてしまう。しまったと思う間もなく、同じように駆け出したライトにそのまま掬われるように担がれた。高くなった視界、追いかけてくる魔物の群れ。

「し、シヴァ!」

担がれたことを抗議出来るほどやさしい状況ではなく、それを見誤らないほどにはスコールも魔物と対峙してきている。戸惑いこそあれ、それどころではないと魔物たちを見据えてシヴァへ命令を下せば、シヴァは応える代わりにライトとスコールのすぐ背後の地面を凍らせ、巨大な氷の棘を発現させた。
この足止めが功を奏してか、ひとまず振り切ることに成功したと分かるのは、十数分後のことだった。



「―――気配はないな」

辺りを見回したライトが僅かに和らげた声音で告げる頃には、スコールの足の痛みも引いていた。魔物の咆哮もなく、代わりに聞こえる鳥の鳴き声が、今いる場所が未だ魔物に荒らされていないことを示していた。ライトによって無理矢理座らさせられたまま、スコールはずいぶんと高いところにある相貌を見上げた。

「ライト。…さっきの奴らは」
「オチューという。この森では、生息が確認されていなかったはずだ」
「ああ、道理で…」

見たことがないはずだ、と立ち上がろうとするも、すぐに勘付かれたライトによって地面へと戻されてしまう。何を、と睨み上げる先で、ライトは無表情を僅かに歪めながらスコールの前に跪いた。

「君は、怪我をしているだろう」
「足なら、もう痛くない」

それを証明しようと、足が動かして見せようとするのを、ライトの手によって止められる。もう片手には何度か見た水晶柱が握られているのを見て、スコールはますます眉根を寄せた。
いつもこうだ、と治癒魔法によって挫いた足やいつのまにか出来ていた体中の傷を癒されながら、スコールは内心呟いた。ライトが有翼人にしては魔力が少なく、水晶柱による増幅器を利用しなければ治癒魔法も十分な効果を得られないことを、スコールも知っていた。そのくせ、スコールが怪我をすると、どんな軽いものでも完全に癒そうとする。たとえ自身の方が深手であったとしても。なぜライトがここまでするのか、いつからそうだったのか、スコールには覚えがない。それはG.Fのせいなのか、それとも忘れてしまうほど些細なきっかけだったのか、ライトに聞いても返ってくるのは一言だけ。

『私の誓いだ』

スコールの意思を無視した、そんな一方的な理由で、甲斐甲斐しく世話をされるのは気に食わない。しかし、その一言を呟く時のライトの顔が、必ずと言っていいほど悲しげに見えてしまうものだから、いつしかスコールは言及することを諦めていた。それは、どうあってもライトから詳細を聞きだすことは出来ないだろうということと、そんな表情を見せられても困るという、二つの理由で。結局スコールに出来るのは、文句も飲み込んでライトの治療を甘んじて受けることだけだった。

「終わったぞ」
「……ありがとう」

それでも、屈辱的だと感じていながら、小声で礼を述べてしまうのは。

「…どういたしまして」

そう返すライトが、安堵したように口の端を上げるのに、こちらまで安心させられてしまうからだった。
それを振りきるように一度首を振ると、スコールは改めて立ち上がって口を開いた。

「そういえばあんた、さっきのオチューとかいうやつを掃討しに来たんだろ?」
「ああ。そろそろ部下も到着する頃合いだろう」
「じゃあ俺と一緒にいるのは…」

まずいんじゃないのか、と言おうとするも、ライトの唇の前で人差し指を立てる仕草によって遮られる。声を潜めろ、という命令を仕草で表したそれは、ライトの癖のようだった。今では慣れてしまったスコールは、親が子にするようなそれに違和感を覚えさせられることもなく、自然と小声になって問いを繰り返した。しかし、ライトはわざわざ問いなおされたスコールの言葉には「問題ない」と一言だけ返して、逆にライトの方から問い返してきた。

「君は、なぜこの森に来た?」
「……仕事だ。本当はメズマライズを狩るつもりだった」

“仕事”の単語に一瞬ライトの眉根が寄ったのを、スコールは見て見ぬふりをして話を続ける。

「あいつの刃も要件だったんだ。あと…ルーネスが欲しがったから」

言い訳のように、ライトも知っている弟分の名前を出してしまったのは、薄氷のような視線を痛く感じてしまったからに他ならない。スコールが傷付くことを異常なまでに厭うライトが、怪我と隣り合わせである“仕事”を同様に厭うのは当然でもあった。しかし、生活をするために仕事での収入が必要不可欠であることも承知していたからこそ、スコールたちの事情を知ってからはとやかく言うことはないものの、感情を抑えることは難しいようだった。
視線を避けるように俯いてしまったスコールの耳に、溜め息のような音が入ってくる。そっと大きな手に髪が撫でられたのを感じて、面を上げた先では、ライトが表情を苦笑に変えて目を細めていた。手は既に引っ込められている。

「…もう、この森にはメズマライズはいないだろう。しばらくすれば戻ってくるだろうが」
「そう、だろうな…」

ルーネスは残念がるだろうな、と依頼の達成が出来なかったことよりも落胆しながら、スコールはライトの予測に頷いた。獲物がいない以上、ここに残る理由はない。帰るしかないか、と辺りを見回した時、がさりと頭上の葉が鳴った。

「リーダーはっけーんっ」
「お、スコール! ひさしぶ…」
「声がでかいってバカバッツ!」
「痛いっ!」

騒がしく木の上から現れた二人組の内、バッツと呼ばれた茶髪の青年の頭を、金髪の少年がべしりと叩く。ともすれば少年の声の方が大きいと思うのだが、話を混ぜっ返したくないスコールは黙っておくことにした。
バッツの背には碧の、少年の背には橙の羽が、葉の緑を僅かに透かせて浮かんでいる。ふたりは有翼人でありライトの直属の部下であったが、ライトが密かにスコールに会うのを黙認している上、スコールにも気さくに話しかけてくるのだ。なぜ、とスコールが尋ねたことがあったが、曰く、『カオスよりライトの方がずっと信用出来る』という至極単純な理由だった。更に言えば、部下というわりにライトに対して敬語も使わなければ、ライトも気にする風もなかった。この屈託のない二人組がライトに信頼を置かれていると知ってからは、スコールの警戒も徐々に解けていた。

「ジタン、他の者は?」
「たぶんオレとバッツが一番早いからなー。あと少しで来ると思うぜ」
「ここ、装置使っても結構遠いもんな」

少年、ジタンの報告に頷いたライトは、一度スコールへと向き直ってから、森のある方へと視線を向けた。スコールが指された方を見ても木々しかないが、ライトの言いたいことは把握出来る。後ろ髪を引かれるものはあるが、仕方がないと溜め息を吐いた。

「…帰る」
「お、なら送ってくか?」
「要らない…G.Fもいるからな」
「う、あいつらかぁ」

バッツの申し出を撤回したついでに付け加えれば、ジタンが口を引き攣らせる。G.Fと有翼人の相性が悪いというのは有名な話で、一説では魔力が競合するためとも、G.Fの干渉を妨害してしまうためとも言われている。ジタンの場合は、美女とも形容されるシヴァを口説いた際の返事が氷漬けだったという、そんなエピソードがあってのことだが……それはまた別の話として。

「…あまり、ここで話している時間はない。気を付けて帰りなさい、スコール」

別れの挨拶代わりのように言われる言葉に頷きだけを返して、スコールは示された出口へ向かって走り出した。オチューの気配は遠い、これなら問題なく抜けられるだろう。
スコールの背を見送ってから、ライトの隣に飛び降りたジタンは、不意ににやりと笑みを浮かべると、既に森の奥の方へ目を向けているライトを見上げた。

「相変わらずお熱ですねぇ」

にやにやと笑うジタンを見下ろしたライトとバッツは、一度瞬くと揃って首を傾げた。

「ライト、熱あるのか?」
「体調なら、問題ないが…」
「…ああいや、オレが悪かったわ、うん」

途端に笑みを引っ込め、なぜか呆れ顔で謝罪を口にしたジタンに、不思議そうな顔の二人は再び首を傾げるが、唐突に聞こえてきた魔物の鳴き声に面を上げた。残っていた鳥が一斉に飛び立ち、木がなぎ倒された音。三人は互いに目配せ合うと、各々の武器を手に音の方向へと向かっていった。









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トーシュはwest⇔tsewから なのでゲームからとったとかそういうのはないです
59は脇役にも満たない脇脇役くらいのはず

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