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DFF中心の女性向け・腐注意ブログ
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バツ+スコっぽいけど一応バツスコのつもり









キャンプから少し離れた森の小道を、どたどたと騒がしい音が駆け抜ける。先を走るバッツを追いかけるスコール、しかしスコールはいつもの黒いジャケットを身に着けてはいなかった。
というのも、バッツによって奪われていたから。そしてそれは、スコールがバッツを追いかける原因でもあった。

「返せ!」
「やなこった!」

バッツが仕掛け、勃発した追いかけっこをたまたま見かけたオニオンに呆れた顔をさせるほどには、バッツは楽しげであり、スコールも本気で彼を追いかけていた。厳格な光の戦士がいれば羽目を外し過ぎだと咎めたかもしれないが、生憎と彼は別所にいて、そして現在追いかけっこ中の二人に同行していたのはオニオンの他にはセシルであり、そのセシルは「楽しそうだね」というちょっとずれた感想しか抱かなかった。
という訳で、二人は咎められることもなくキャンプ地の周りをぐるぐると走り回っているのだが。

(んー、そろそろ道変えっかな)

同じ景色ではつまらない、とバッツが不意にコースを変えれば、スコールは眉間に新たなしわを刻みながらその後に続いてくる。ちらりとバッツが背後に視線を遣ると、眼光鋭い睨みが返ってきた。

(変なところで諦め悪いよなー。まぁ、その方が嬉しいけどさ!)

スコール本人に聞かれれば余計に怒らせてしまうだろうと分かっているため、口には出さないでおく。
それでも喜色はすっかり表に出てしまっていて、それがスコールを自棄にさせている原因だとは、バッツは気付いていなかった。先程向けた視線もその類だったものだから、むっとしたスコールがスピードを上げたことで、二人の距離が徐々に縮まっていく。

「…っと!? うおっ!!」
「んなっ…!?」

腕を伸ばせば届くか、というところまで迫ったところで、バッツが唐突に声を上げたと思うと、一度跳び上がってから盛大に地面へ転がった。すぐ後ろにいたスコールも急停止が出来るはずもなく、何かを踏んだような感触を靴裏に感じたと思った途端、バッツの脛に引っかかってこれまた盛大に転ぶ羽目になった。

「いっ、てぇぇぇっ!!」
「~…っ…!」

二人で悶絶すること十数秒、少しすりむいて赤くなった鼻を手で覆いながら立ち上がったスコールは、ジャケットを取り返すと、ようやく上体を起こしたバッツを上から睨め下ろした。どういうことだ、と無言で訴えるのは、ジャケットを奪ったことではなく唐突に転げた理由の方。
涙目で脛をさすりながらも、スコールの疑問を正しく読み取ったバッツが辺りをきょろりと見まわしたと思うと、土色の目がある一点に留まった。未だ痛む脛を庇いつつ、その“何か”の前へ移動するとしゃがみこむ。
訝しみながらもスコールはバッツの視線の先に目を向け、そして戸惑ったような顔をした。

「あー、やっぱ折れちゃったか」

バッツが撫でるのは、なんてことのない、黄色い花だった。森の中であれば咲いていてもおかしくないようなそれは、茎を折られ無残に花弁を地面へと散らしていた。

「…あ」

花を見つめていたスコールが、小さく声を上げる。転ぶ前に、何か踏みはしなかったか?
この花の惨状は自分が原因としか思えない。スコールはバッツの隣に並んでしゃがみ込み、折れた茎へと手を伸ばす。倒れた部位を立てたところで当然治るはずもなく、潰れた黄色い頭は地面へと再び垂れた。
呆然としたように潰れた花を眺めるスコールへバッツは視線を向けると、静かに手を上げて、俯く暗褐色の頭にぽんと置いた。

「バッツ?」
「大丈夫さ」

手が離れる前にくしゃりと髪を撫でられて、僅かに目を丸くしたスコールが見返す先で、バッツは一度笑ってみせてから、再び花へと視線を落とした。と同時に両手を花へと伸ばしたと思うと、花の周りの土を掘り始める。それを不思議そうに見ていたスコールだが、バッツの意図に気付いて同じように土を掘り始めた。
踏み固められた地面とは違い、さほど労力もなく花の周りを掘り終えて、スコールはそっと土ごと花を持ちあげた。一方でバッツはもう一度辺りを見回し、ある木の傍へ寄るとスコールを手招きした。

「ここ、ここにしよーぜ」

バッツが指す先には、スコールが持つ花と同じものがいくつか咲いていた。スコールが頷いたのを確認して、バッツは再び土を掘り始める。やがて出来た穴の中に、スコールが手の中の花を入れて土を掛けたところで、どちらともなく息が漏れた。
ぼんやりと花を見下ろすスコールの肩が軽く叩かれ、ちらりと向けた視線にバッツの悪戯げな笑みが返る。

「ジャケット、汚れちゃったな」

何かとスコールがジャケットを見れば、バッツの指に付いた土が移っていた。肩に置かれたままの手は擦り付けるように動き、白いファーまで汚していく。
眉根を寄せたスコールがバッツの手を払えば、それはあっさりと離れていった。その代わりのようにバッツはスコールの手を掴み、元来た道を歩き始めた。
引っ張られるのに抵抗せずついてくるスコールを振り返れば、顰め面のその目許が僅かに赤らんでいるのが見える。手を握る力を強めれば握り返されるのに、バッツはそっと笑みを深めた。









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ごく自然にフォロー入れられるバッツさん だといいな

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