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夢でラグスコを見た記念、だけどウォルスコ なのでラグスコではないです そしてスコールほとんど出てこない

その夢でスコールが『今まで放っておいたくせに、今更父親面するな!』とか言ったものだからちょっと切ない…でもラグスコ美味しかったです なんだかんだでいちゃついてたしキスとかしてたし
一応ここでは+推奨ですが、ラグ×スコも大好物ですよ…!









「おやヴァン君、なーにしてるんだ?」
「なーんだ、ラグナか。あれ見ろよ、あれ」
「なんだとはなんだ、失礼な。と、どれどれ……おお?」

慣れてしまった不躾な物言いにも笑って返しつつ、ちょいちょいと手招きされるのに従い、草葉の陰に隠れてから、ヴァンが指す方向を見る。その先には、一度見たら忘れられないほど特徴的な兜の青年と、どうしてか気になって仕方がない黒衣の少年がいた。

「あのツノカブトとスコールなんて、珍しい組み合わせだよな」

厳格な気性の勇者と気難しいスコールの二人が、気の合う組み合わせだと思えないのは、ヴァンも同じだったらしい。ただし、自分はある予測のもとにさほど驚かずにいられるのだが。

「まぁ、確率的に言えばそうだねぇ」
「なんだそれ、似合ってないし意味分からないし」
「ほっとけ。それよりジダンだっけ? しっぽの子がお前を呼んでたぞ」
「ジタンだって。なんだろう」

それじゃあな、と小声と忍び足で去っていくヴァンを見送ってから、二人の方へ向き直る。勇者はいつものようにぴんと背筋を伸ばしていて、スコールは腕を組んで立っている。ああ、その身長差で顎を引いていたら、スコールはだいぶ上目にならないといけないだろうに。目が攣ってしまいそうだ。
それにしても、何を話しているのだろうか。おそらく軍の出だったろうに、妙に気配を消すのが下手な自分では、これ以上近付いては二人に気付かれてしまうだろう。いつもならそんなことを気にせずに突っ込むというのに、なぜか邪魔をしたくないと思ってしまうのだ。勇者の目許がどことなく緩んで見えるという微笑ましさ以上に、スコールの纏う雰囲気が柔らかく思えることが、嬉しくて。

(なーんか、気になるんだよな。なんで嬉しいんだろーなぁ)

こんな感情を得たことは以前にも何度かあったが、考えても結局理由は分からないままだった。勇者とスコールの組み合わせを見かける度に、つい息を潜めて意識を向けてしまうのも同様で。ううむ、と顎に手を当てて考えていると、不意に勇者の手がスコールに伸ばされた。苛烈な剣技と盾技を振るう手が、暗褐色の髪を優しく撫でる。髪が梳かれてさらさらと落ちていくのを、スコールに厭う様子はない。それどころか、髪の隙間から覗く耳はわずかに赤くなってすら見える。
おやおや、と瞬いている内に、やがてスコールは軽く首を振って勇者の手を離させると、どこかへと歩き去って行った。その背中を見送る勇者が、薄青い目を細めているのを見て、小さな驚きと共に以前から有った、ある確信が生まれた。スコールが見えなくなるのを待ってから、草葉から出ていって勇者のもとへと歩み寄る。突然現れたはずなのに、勇者に驚いた様子が微塵もないことから、潜んでいたことはとうに気付かれてしまっていたのだろう。

「ラグナさん」
「ああもう、さん付けは止めてくれって、何度言ったら分かってくれんだよ~」

へらりと笑って言うも、勇者はいつも通りの無表情で見下げてくるばかり。何度か訴えた末に敬語は止めてくれたものの、未だに年上らしい自分への敬称だけは失くしてくれない頑固な勇者の眼光が、先程までスコールに向けていたものとは違う、射抜くようなものだったとしても、自分にはまるで気にならない。
あの目は、スコール専用なんだ。それを確認して、また嬉しくなる。

「あのさ、野暮なコトかもしんねーけど。あいつ…スコールのこと、大事にしてくれてるんだよな」
「無論だ」

まったく、恥ずかしいほど真面目な顔で、はっきり言ってくれるのだから。そんなむず痒い心地で頭を掻きながらも、口角が上がるのを止められない。うんうんと頷いていると、勇者が軽く首を傾げるのが見えた。

「そっかそっか……うん、嬉しいなぁ」
「嬉しい?」
「なんでだろーなぁ、スコールが大事にされてるとさ、すげぇ嬉しいんだ」

ずっと燻っていた、名前だけ分かっていた感情をここで口にした訳は分からない。自分とは少し違う方向で、それでも深いところでは同じ想いをスコールに向けて持っているのだと先程確信したばかりの相手に、聞いてもらいたいだけなのかもしれない。

「それは、貴方がスコールと同じ世界から来たからかもしれないからか?」
「ああまぁ、同じ世界っぽいのはそうだけど…理由はオレにもよく分かんねぇんだ。一緒に戦った仲間ーとかだったらさすがに思い出してると思うんだけどさ、そういうのもねぇし。なのにあの顔見てるとほっとけなくて、大事にしてやりたくて…こう、頭とか胸がぎゅんってするような。ひとりになりたいようでひとりになりたくないって顔してんじゃん、あいつ。だからさ、さっきみたいに大人しくお前さんに撫でられてるようなの見るとさ、ホッとしちまって。オレだってそうしてやりたいけどなんでか逃げられるし、さっきのあんたみたいな手付きしたら変な顔されそーで……って、悪い! またオレばっか喋っちまった」

喋り過ぎだと詰られる、そんな予感が不意に過ぎって、なぜか“また”と無意識に口にしながら慌てて謝罪すると、黙って聞いていてくれた勇者は無表情のまま「構わない」と首を振った。

「私も、思うところは同じだ。…彼がああいう風に触れさせてくれるまで、苦労した」

僅かに目を伏せて嘆息気味に言う勇者に、それこそ言葉以上の苦労があったのだろうと思うと、未だにロクに触れさせてもらえない自分の状況を差し置いて、同情に近い苦笑を浮かべてしまう。ああいう風になるまでどんな経緯があったのか、色々と聞き出したい気持ちはあるが、二人だけの記憶としておいて欲しくもある。

「そうだろーなぁ、あいつ気難しいから。でもそこが逆に構いたくなるんだよなー」
「彼は繊細な子だ。それでも受け入れてくれたのは、優しいからなのだろう」
「惚気るねぇ、リーダー。あんたの我慢強さも、相当なモンだぜ。オレじゃ役不足なのかなぁ」

こんな、小さな惚気が勇者の口から聞けるくらいなら、いずれスコールの口から聞ける日も来るのだろうか。それが待ち遠しいような、少し寂しいような。それでも、きっと自分は嬉しいと思ってしまう。
何が惚気なのか分かっていないような勇者は、スコールについて称したことを本心から思っているのだろう。それに軽く笑ってしまうのは、理由は分からないままに覚えてしまう“嬉しい”という感情や安堵だけでなく、おそらく年下だろう者に向ける微笑ましさの所為。
役不足とは言ったが、嫉妬ではないのだと分かっている。だから自分は、勇者に対して純粋に感謝だけを向けられた。

「まぁでもいいんだ、あんたが撫でてくれるなら。あいつを大事にしてくれて、愛してくれて、ありがとな」

無表情の上に訝しげな色を浮かべた勇者が、何かを言い掛けた時、自分と勇者を呼ぶ声が聞こえた。見れば、水の入った容器を両手で持ちながら、スコールがこちらに歩いてきていた。
何を話していたのかと、それだけが不思議なような顔をしていながら、常よりも寄った眉根に僅かに嫉妬が見えて、声を出して笑ってしまう。

「安心しろって、お前がかわいいってことしか喋ってねーからさ」
「は!?」

すれ違いざまに暗褐色の髪をぐしゃりと乱してやって、逃げるようにさっさとその場を離れる。呆気に取られた視線を背に感じたと思うと、次には「どういうことだ」と勇者に詰問する声が聞こえてきて、笑いを抑えることが出来なくなっていた。

「ほんと、何なんだろーな?」

立ち止まり、傾げた頭に手を当ててぽつりと呟く。疑問は抱えたままでも笑みは残ったままで、決して嫌な気分ではないのだから、それがまた不思議だ。
頭から手を離して、ぼんやりと見つめる。勇者の手は、今頃自分が乱したスコールの髪を撫でつけてあげているのだろうか。この手では、その役割は担えなかった。
でも、それでも良かった。彼を慈しんでくれる手があるなら、それが自分のものでなくてもいい。彼が愛されていると実感できる、そういう相手がいてくれるのなら、自分でなくても構わない。
スコールの手を掴んでくれるのが、あの光の戦士ならば。自分に出来るのは、どうかその子の手を放さないでやってくれと、その光で彼の道を照らして欲しいと、願うことだけだった。

そうして手から顔を上げたその時の自分の表情が、まるで子を想う親のようなものだったとは、見る者のいない以上、知ることはなかった。









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スコールにレインさんの面影を見てたらいいなぁと

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