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いわゆるクロスオーバーもの ギルティギア世界に迷いこんだ勇者とスコールです
あんまり詳しい設定は考えてなくて、聖騎士団入りするふたりが見たいだけとかそんな理由のクロスオーバーだったりします
まだCP要素はありませんが、ウォルスコはもちろんカイソルも入れたいなーと思ってます ソルカイじゃないですカイ(→)ソルです注意

▽ 気付いたら9万打超えてましたねーありがとうございます!
しかしアンソロ原稿終わっても今度は研究の方の原稿があったりして結局更新停滞するんですよね……来て下さる方々には重ね重ね申し訳ないですorz





 例えるなら獣、しかし似ても似つかない音色の大音量の咆哮に、スコールは盛大に眉根を寄せた。名状しがたい<それ>は、横に引き裂かれたような口からだらだらと涎を滴らせながら、金色の眼でスコールを見下ろしてくる。
「スコール、無事か」
「ああ、あんた、ちゃんといたんだな」
 見慣れた兜と鎧を纏ったその人が背に立つのに、スコールは一瞬だけ安堵の息を吐いた。しかし、すぐに気を引き締めるとちらと辺りを確認した。
 ふたりを囲むのは、唸りを上げる大小様々な<それ>ら。つぎはぎの世界、スコールには元の世界も含めて、今までに感じたことのない質の殺気を向けてくる。
「……モンスター、か?」
「私に分かるのは、イミテーションではないということだけだ。ただ、敵なのは確かだろう」
「それもそうだな」
 現状打破の意志が固まると同時に、それらは弾けるように襲いかかってくる。捕食や防衛本能とは違う、単純な殺意だけを叩きつけられるのに既視感を得た。
 見た目通り獣でないと分かれば、やはり“モンスター”と形容するのが一番妥当なのだろう。何体かのそれを切り伏せたところで、スコールはそう思い至った。そんな考え事ができる程度には、小型のものは大した強さでもなかった。ただ、大型は攻撃こそそこまで苛烈でもないものの、無駄に頑丈なのか未だ倒れる気配を見せない。むしろ、ダメージを受けている様子もない。
 少し前に攻撃した箇所が既に治癒されているのを見て、スコールは顔を顰めた。一気に致命傷を与える必要があるらしい。小型を片付けてようやく大型と向かい合い、人型であるカオスの戦士やイミテーションとの戦いしか記憶にない勇者は、わずかに戸惑っているようだった。
 とはいえ、再生するならばそれを上回ってしまえばいい、という単純な話にはすぐたどり着いたようで、迷いなく得物を構え直した。大型のそれが大口を開けて襲い掛かってくるのを、まっすぐ迎え撃つ。しかし、二人が攻撃を受け止めることはなかった。
 瞬きの間もなく、<それ>は一瞬にして炎に包まれた。まさに焼き尽くされ、赤い炎の上がる灰を踏み越えて、構えも解けずに茫然としたふたりの前に現れたのは、黒ずんだ赤。よくよく見てみれば、突然現れた赤い男が炎以外に纏うのは白い衣装で、どうして真赤なのかと思えばそのすべては血色であった。
 大剣を携えた血濡れの男は、前髪と赤い鉢金の奥から金粉混じりの紅の眼で、二人を見据えた。男への警戒と風に流されてくる濃い血の臭いに、ふたりが表情を険しくして武器を構えても、男は大剣を構えるでもなくじっと見つめてくるばかり。
 ふと目が合ったと思えば、男の膨れ上がるほどだった殺気は、驚くほど鳴りを潜めた。
「……GEARじゃねえな。迷子か何かか?」
 次にはふたりの衣装(特に勇者の鎧)と武器を眺めて、赤い男は気だるげな低い声で問いかけてくる。勇者とスコールは一度顔を見合わせてから、男へ向き直った。
「おそらく。先程のものたちも、ここがどこなのかも分からない」
「なら、あの“小僧”にでも聞くんだな。俺は忙しい」
 いかにも面倒そうに男が指した方では、男と似た服(こちらは白色だ)を着た者達が戦い、その中から一人の少年が駆けてくるのが見えた。彼のことか、と確認に振り返るも、男はいつの間にかその場を離れ、離れた場所でモンスターのような何かへ向かっていた。
「ソル! くっ、また単独で……あなたたちは?」
 赤い男や遠くで戦う者達とは違い、少年には青と真白な服はおろか豪奢な金髪の一房にすら血色が見受けられない。碧の大きな目で勇者の兜を見上げる少年の表情はスコールよりも幼いが、戦士と呼ぶに相当な力を秘めているのだと知れた。
 そんな強者であるはずの青い少年は、気付くのが遅いというか、ソルと呼んだ先程の男しか見えていなかったのだろう。少々呆気にとられつつ、どうも不審者はこちららしい、と周りの状況から悟り始めたふたりは、下手に言い繕うより素直に伝えることにした。
「俺たちは……どういう立場になるのか、分からない。気付いたらここにいたんだ」
「彼は君に尋ねるように言っていた」
「ソルが? ……なら、少なくとも敵ではないと考えてよさそうですね。訊きたいことはたくさんありますが」
「のんびり自己紹介してる暇はなさそうだがな」
 見ず知らずの人間をそんな簡単に信用してもいいのか? とスコールは内心思いつつも、不審者である自分たちに敵対の意志を持たれないなら、それに越したことはない。少なくとも周りの<それ>らには、赤い男や少年たちと自分たちに見境を持つ気はないようだ。
 三人を囲むものに武器を向けたスコールに、少年は同意すると雷を走らせた長剣を構えた。
「見たところ、十分に戦う力を持っているとお見受けします。少し協力してください」
 了解した、と律儀に返した勇者が出るのに続いて、スコールと少年も囲む<それ>らへと向かった。









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まだCP要素はありませんが
続きか、もしくはシリーズみたいな感じで書けたらいいな

あの世界に二人が入った場合、スコールは違和感ないけどウォルさんは間違いなく浮くと思う

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