相変わらずっていうのは甘さ的な意味で相変わらずってことで

いつもスコからばっか甘えてる気がしてたので、今度はウォルから…って思い付いたはいいけどそれ普段と何が違うねんってなってちょっと前からもやもやしてたネタ　偶然某様の呟きに同調する結果となりましたが、い、意図はなかった
ウォルさんが甘えるっていうのはどんなもんかなーと考えてつつ書いてみたものの結局いつもと変わらん件　ばかっぷるですいません


▽

キャラ設定をちょっと更新してみた　混沌側をもう少し詳細に…混沌側も織り交ぜたいけどなかなかどうして難しい

「…なぁ」
「どうした」
「……」

どうした、と聞きたいのはこっちの方だ！と言いたいのに、戸惑いと羞恥に支配されて無駄に口籠ってしまう。そんなスコールは、現在赤面しつつ後ろから勇者に抱きしめられている。
今が野営での多くはない自由時間で、さらに良質なコテージを手に入れたおかげで部屋でふたりきり、という人目の無い状況とはいえ、それでも想い人に触れられて恥ずかしいと思うほどには、スコールは恋愛事には慣れていないのだ。
それも、ぎゅうどころか実質むぎゅうううくらいであるのだから、息苦しくはないがいっそ盛大に恥ずかしい。

「その……く、くすぐったいんだが…」

精一杯絞り出した声にも、そうか、と返しただけで勇者に放す気は毛頭ないらしい。
名前を呼ばれて、素直に応えて近付いた途端抱き上げられて、こうである。どうしてこうなった、とスコールは自問するが、呼ばれたせいなのか近付いたせいなのか答えは到底見つかりそうにない。というのも、スコールが勇者に抱きしめられることはふたりきりに限ってはさして珍しくないためで、それでも今そうされていることを疑問に思ってしまうのは、なぜだか勇者の様子がいつもと違うように感じるから。その割に、喜怒哀楽における負の感情は微塵もなく、むしろ楽しそうやら嬉しそうやらといった、そんな様子なものだから、スコールはますます混乱してしまう。

「バッツが」
「え？」
「元の世界の相棒は顔を擦り寄せて甘えてきたそうだ。それがくすぐったくて嬉しい、とも言っていた」

ふと出された名前に訝しく思いつつ、続いた言葉に驚いて、また疑問が湧いて出る。
バッツの相棒といえば、チョコボのボコのこと。バッツがボコの羽をお守りとして持っていたことからも彼らの信頼関係は窺えるし、勇者の言うような光景もすぐ浮かぶ。しかしそれとこの状況に何の関係があるというのか。

「だから…？」
「チョコボは召喚石でしか知らないが、私も君が甘えてくれると嬉しい。…君は、同じように思ってくれるか？」

え、ともう一度驚いてから、ようやく辿り着いたこの状況の答えに、スコールは項垂れた。
どうやら、自分はこの勇者に甘えられているらしい。
思わず脱力したのは、どこかに妙な緊張があったからなのだろう。確かに、頬が触れ合うのを不快に思うはずがなければ、密着する体温も近い鼓動も安心をもたらすもので、何より抱きしめてくれるその腕の中は居心地がいい。と、そこまで考えて、何を考えているのかと再び羞恥に襲われる。
つまり、あんたはチョコボの真似をしているということか。そんな的外れな見解でもしてみるが、もうとっくに頬から耳が熱い。
そして、その熱は当然勇者にもしっかり伝わっているのだろう。とすれば、強情を張っても仕方が無い。

だから、スコールは諦めにも近い思いで吐息のように答えを返した。

「…嬉しく思えない理由があるなら教えてくれ」

非常にか細い呟きとはいえ、勇者が聞き洩らすはずもない。予想外に素直な言葉に驚いて一瞬緩めてしまった腕は、増した羞恥に反比例して縮こまりそうになるスコールの体をすぐにかき抱く。
びくりと跳ねる細い肩を捕まえて、それは無理な話だ、と耳元で囁くように言ってから、更に熱くなった頬に口付けた。

結局のところ、甘えたいのも甘えられたいのもお互いさまのようだ。そう自覚したのはほぼ同時で、それをどこか誇らしげにすら思うのもお互いさまだった。









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チョコボってFF1にはいないんですよねー