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DFF中心の女性向け・腐注意ブログ
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追記はウォルスコ+45910で
『うちのウォルスコはばかっぷる』+『ウォルスコ時のスコールはデレすぎて子猫』+『デレすぎてアホの子』を念頭にどうぞ
…いや、ほんとにどうしてこうなったんだろう…とりあえずそんなSS 早い話がコメディ

元々会話文だったのに文章入れたから半会話文ぽいかもしれない



争奪勇者のためにコマンドバトルにしてフォースをBRVに変換装備スコールをたたかう放置してるけど、これかなりきつくないか…?

▽▽

なんか雰囲気がそれっぽかったので18といっしょシリーズにすることにしました









  それはただの自己暗示、それも相殺にしかならない。いや、相殺にすらならないことも分かっている、ただそれほどに大きすぎて。

「嫌い、嫌い、嫌い、あいつなんか、きらい、きらい、だいきらい…」
  仲間たちから少し離れたところで、ぽつりぽつりと呟いているのはスコール。少々異様にも見えるその光景を、彼の死角になる場所から見ているのは、バッツとジタン。
「…なぁ、スコールなにしてんだ?」
「さぁ…さっきから“嫌い”って言い続けてるんだよな」
  まるで何かの呪文のようにすら聞こえる、感情の羅列。言葉面こそ恨みを募らせているようでもあるが、それでも呪詛とはかけ離れたものにも思える。
  スコールの長々しい言葉の中にある単語を拾って、バッツが首を傾げた。
「“あいつ”っていうとあいつだよな?」
「でも喧嘩したって感じじゃないし…」
「うーん?ジタン先生も分かんないか」
「うん、先生も分かんないわ。ただ…」
  ふむ、と腕を組んだジタンが思い返すのは、先程ちらりと見えたスコールの横顔。その表情は、呪詛を連ねているものとしてはなんとも不似合いだったのだ。
「嫌い嫌い言ってる割には顔赤いよな」
「確かに!でもそれじゃもっと意味分かんないなー」
  戦闘に比べてずいぶんと恋愛下手であるスコールのこと、そして彼が超がつく鈍感であり、更に少々天然が混ざっているかもしれないことを考えると、一般人では辿り着けないような思考回路で以てあんな言葉を呟き続けている可能性もある、とはジタンの思うところ。
  まぁ、ああ言ったところでどうせ本心はいつもの通りなのだろう、と分かっているからこそ、こちらとしても不安になることもなく純粋に疑問に思うだけで済んでいるのだが。
  何より“あいつ”本人の耳に入らなければ大丈夫だろう、と二人は思っていたのだ。そう、彼が来るまでは。
「バッツにジタンー二人してどうしたんスか?」
「あーティーダか。いやな、かくかくしかじか…」
「…へっ!?スコールがウォルのことを嫌い!?」
  バッツの説明に、ティーダは持ち前のテンションの高さで盛大に驚いてくれてしまった。二人の関係を知っているからこその驚愕だったのだが、バッツとジタンにしてみればとにかく今は抑えて欲しかった。
「ばっか声がでかいって!」
  スコールとウォルに聞こえたらどうすんだ!
  慌てたジタンがそう咎め、そしてティーダがはぷっと己の口を手で押さえた、のだが。
  時既に遅し。金属製の足音が、三人の背後で鳴った。
「スコールが、私を嫌っている?」
「う、ウォル…」
  振り返った先では、危惧に違わずウォルが立っていた。さして広くもない野営地、少々近くにいればティーダの持ち前の肺活量による音量では、内容が聞こえてしまうのも当然で。
  何より問題なのは、ティーダの叫んだ内容が非っ常ーに悪い部分だけを、かいつまんでくれていたことである。
  しかし本当にスコールがそう思っている証拠などどこにもなく、なによりバッツたちが本当にそうだと微塵も思っていないわけで、とにかく今は(おそらく)誤解を解かねばと必死になる他なかった。
「ち、違うって!きっとおれたちやティーダの聞き間違いっていうか勘違いっていうか!」
「お、おう!」
  つーかこのジタン先生に言わせればどう見てもスコールはリーダーにベタ惚れだって!
  と慌てすぎたジタンがうっかりと、彼にとっては失態にも近い失言をかましてしまったところで、その背後にはガンブレード。
「弾けろ!!」
「ふぎゃっ!!」
  バッツとティーダが、ジタンが盛大に吹っ飛ばされるのを呆然と見届けてしまっている一方で、ウォルは息を切らすスコールをまっすぐ見つめ。
「スコール?」
「―――っ!」
  小さな呼びかけに、スコールはびくりと肩を跳ねさせると、すぐに背を向けて走り去っていってしまった。
  後に残されたのは、無言で見送ったウォルと、ジタンの介抱をするバッツとティーダ。

―――なんか、ごめん。とティーダの謝罪だけが響く。

「なんかスコールが凄い勢いで走っていったけど…どうしたんだい?」
  ばっと三人が今度は期待を抱いて振り向けば、銀の髪を揺らめかせて現れたのは、この状況では救世主にも思える存在。ぱぁ、と一挙に明るくなった表情に、救世主…セシルは小首を傾げた。
「セシル!!」
「その、かくかくしかじかで…」
「なるほど…だから、なんだかウォルが落ち込んでるんだね」
  ジタンの説明に納得したらしいセシルの言葉に、三人が再び表情を翳らせる。
  一見では無表情であるが、セシルもそう思うということは、きっと三人が思った通り一連の出来事が少なからずウォルを落ち込ませてしまったのだろう。
「お、オレのせいだ…っ」
  いつものリーダーなら、歯牙にもかけずに“そんなことはない”とはっきり否定してくれると思っていたのに。むしろ、勝手なことを言うなと怒ってくれただろうに。そうティーダは思っていたが、完全に見誤っていたのだ。あのウォルが、仲間の勝手な推測にすぎない言葉で落ち込んでしまうほど、ウォルとスコールの繋がりは深かった。
  ティーダは思わず涙ぐみながら、“どうしよう”とセシルに詰め寄る。他の二人もどこか縋るような気持ちでセシルを見つめるが、そのセシルはといえばぱちくりと瞬いて、もう一度首を傾げた。
「なんでティーダが落ち込むの?」
「…へ?」
  ぽかん、と間抜けな顔をする三人に、セシルは苦笑を浮かべてウォルへと向いた。
「スコールを追いかけるんですよね?」
「ああ」
  言うが早いか、スコールが走り去っていった方向へ歩いていったウォルを呆然と見送った三人は、再びセシルへと視線を向けた。
  飛び交う疑問符が見えてしまいそうだ、とセシルは思いつつも、推測ではあるがウォルの様子からして正解だろう自分の予想を、三人に教えることにした。



(どうしようどうしよう、まさかあいつに聞かれるなんて…!ティーダの馬鹿!馬鹿ティーダ!違う、本当に馬鹿なのは俺だ…っ)
  座り込んで、膝を抱えてぐるぐると考える。その思考はすっかり後悔に染められていて、何を考えても自身への嫌悪感しか出てこない。鼻の奥がつんとする感覚に、より嫌悪感が増してスコールは膝に顔を押しつけた。
  だから、背後の気配に気付くのが一瞬遅れてしまって。
「…スコール」
  びくりと肩どころか全身を震わせて恐る恐るといった風に振り返ったスコールに、追いかけてきたウォルは思わず眉を少しだけ顰めてしまった。それは怒りではなく、ただスコールの表情があまりに痛々しかったからであったのだが、どうやらスコールには先程の件に対するそれだと思われてしまったらしい。
  傍らに跪けば、スコールは顔を伏せた。
「あ、あ、そ…その……ごめん、なさい…」
「なぜ謝る?」
  普段からは全く違う稚い口調から、スコールの落ち込み様が予想以上であると悟ったウォルは、間髪入れずに言葉を返した。
  それはスコールを驚かせて、一瞬の間を開けさせたが、当惑したような顔はすぐにまた後悔に埋められる。
「…だって、俺…あんなこと…あんた、聞いたんだろ…?」
「では逆に問うが、君はなぜそれで私が怒るか悲しむと思ったのだ?」
  え、と目を丸くしたスコールが再び口を開くまで、先程よりも長い間が空いた。
「……“嫌い”なんて言われたら、いくらあんたでも怒るだろ…?」
  それも、真向かっていたならともかく、あんな伝わり方では誤解されて当然だったろうに。なにより、自分は弁解も何もしないまま逃げ出してしまったのだ。それがまた別の後悔であり、先程からじくじくとスコールを蝕んでいる。
  それなのにウォルは変わらず凛としていて、それが余計にスコールの不安を煽っていたのだが。尋ねておきながらスコールの言葉には答えないまま、ウォルは更に問い掛けを連ねた。
「それは君の本心か?」
「そんなことない!」
  次にあった反応は一瞬で、そしてそれはスコールの本心を伝えるには十分で。
「なら、それで十分だ」
「…え?」
  ウォルがそう頷けば、スコールはぽかんとしつつ潤んだままの目で見上げてきて。それに思わず苦笑したウォルがスコールの目許に唇を落とすと、小さな驚愕の声が上がった。
  今度は耳元へ寄せて、ウォルが更に言い募るのは。
  もし怒るとするなら、何も言わずに逃げ出してしまったことと、そしてもう一つ。
「スコール、私をあまり見くびってもらっては困る」

―――君が思っているよりは、私は君のことを知っているつもりだ。



  あとあと分かったこととして。
  まずスコールがあんなことを言い続けていたのは、ウォルが好き過ぎてどうしようもないので抑えようと思った結果。
  そしてウォルが落ち込んだというのは、スコールが逃げてしまったということ。どうやら、“嫌い”発言によるダメージはほとんど無かった、らしい。しかも、落ち込んだといっても少しばかりのことで、あそこでスコールが逃げ出すのはむしろ予想通りでもあったらしい。どうやら第三者の方に、変なフィルターがかかっていたようだ。
  これらは全部セシルの予想通りで、判明したのはこちらの疑問に律儀に答えてくれたウォルのおかげである。
  思ったより事は重大ではなかった。それはよかった、本当によかったのだが。

  …あの時のオレのへこみっぷりを返してくれっス、バカップル!









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ウォルさんはスコールがツンデレなのもよっく分かってます
というかウォルさんまた口説いたよ…


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