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DFF中心の女性向け・腐注意ブログ
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ティナとスコールが喋ってるダケー 無駄に長引いた…
一応ウォルスコ前提だけどライトさんいません

・パロなので呼び名はウォル→ライト オニオン→ルーネス(外見はオニオン)
・ティナとフリオは同じクラス(高3)
・フリオは園芸部部長(顧問はエクスデス)
・スコールは生徒会長(高2)
・ティナは二人の関係を知ってる

一番下に関しては経緯は割愛…ほら、突発パロだし!

あ あと小ネタで新しく記事作りました
小ネタ1が15個入ったので つっても新小ネタページに追加したのは前記事のビンゴのあれですが








「フリオニール? ああ、さっき先生に呼ばれて行ったけど、すぐ戻ってくるんじゃないか」
「そうですか…」

ありがとうございます、と頭を軽く下げながら礼を言えば、スコールにとっては先輩の、フリオニールにとってはクラスメートにあたる男子は軽く笑って席へ戻っていった。
生徒会の会長を務めさせられているスコールの手にあるのは、部活動の査定の結果が入った封筒。園芸部の部長であるフリオニールが知り合いであることもあり、苦もなく用事を済ませられると思ったが、どうやらタイミングが悪かったようだ。
すぐ戻るなら待っていてもいいが、このまま教室の出入り口に立っているのも気がひけて、廊下に出ようと踵を返そうとしたところで、聞き覚えのある声がかかった。

「あれ、スコール? どうしたの?」
「ティナ」

声の主、ティナは軽く首を傾げながらスコールを見上げていた。上級生の教室に下級生が姿を見せることは、やはり珍しいらしい。不思議そうな目をするティナに、スコールが手に持ったままの封筒を見せながら経緯を説明すれば、納得したように頷いた。

「廊下は寒いし、待つなら教室の中にいた方がいいわ」
「いや…」
「じゃあ、私とお話して?」

先輩の教室というのは居心地はあまり良くないが、そういった後輩の心境をティナはしっかり把握していたらしい。スコールを引きとめようとする意図は明らかなのに、彼女からの要求という形をとりながら可愛らしく微笑まれては、スコールに逆らえるはずもなかった。
ティナの言葉と僅かに頬を赤らめたスコールに一瞬教室の空気がざわめいたが、生憎とふたりは気付かない。
小さく息を吐いて撤退を諦めると、ティナはいたずらが成功した子供のように笑いながら、机の中から本を取り出した。よく見えるようにと向きを変えられたそれの表紙を見て、スコールが首を傾げる。

「編み物? なにか作ってるのか?」
「うん」

ざわ。
空気がざわめいた気がしてスコールは軽く眉を寄せたが、ティナに気付く様子はなかったため、気のせいかと無視することにした。

「スコール?」
「…何でもない。それで、何を作ってるんだ」
「マフラーなの。ルーネスにね、プレゼントしたくて」

ルーネスはティナと同じ料理部に所属する中等部の男子で、いつも彼に料理を教わっているというティナは、感謝をこめてプレゼントを贈ろうと思い立ったらしい。しばしばティナからルーネスのことを聞いていたスコールは、実際にルーネス自身に会ったこともあり、ついでに彼女の料理の腕も知っていたので、その理由にもすぐ納得出来た。
ただ、聞き耳を立てていた男子がこぞって席に頭をぶつけた理由は、まったく分からなかったが。

「でもね、結構難しくて…あとちょっと、なんだけどね」

木の編み棒がくっついたままのマフラーが、ごそごそと席の隣に置いてあったバッグから取り出され、机の上に広げられる。マフラーこそ見慣れたものだが、それが作られる工程は目にしたことがなかったスコールは、珍しそうに作り途中のマフラーを見つめた。
棒に毛糸を絡ませているようにしか見えないのに、それでよく見られるマフラーが作られるのだから不思議だ。

「あんまり、上手じゃないけどね」

自分の不器用さを自覚しているティナが恥ずかしそうに苦笑するが、スコールはかぶりを振った。

「…いいと思う」

暖かそうな赤色を基調に少し歪んだ黄色の模様が入っているそれに、製品のような無機質な綺麗さは無い。それでもティナが一生懸命に編んでいるだろうことが見て取れて、それが毛糸で作られているということに関わらず、とてもあたたかそうに思えた。短い、それでも素直な称賛を口にしたスコールに、ティナは少し驚いたように瞬いてから嬉しそうに笑った。
ありがとうと礼を言われ、気恥ずかしさに視線を泳がせたスコールに、思い出したようにティナから再び声がかけられる。

「それでね、スコール。あなたも作ってみない?」
「え?」
「もう編み方は覚えたから、本は持っていっても大丈夫。編み棒はないけど、この本には手編みの方法も載ってるわ」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。なんで俺が…」

なぜそういう話になるのか。
編み物なんてやったことがなく、まず編み物をする理由がないスコールには、ティナの提案は受け入れ難い。本を押しつけられそうになるのを、困ったように眉を寄せながら慌てて拒否するが、ティナは微笑んだままで諦める気はないようだ。

「ライトさん、喜ぶよ?」
「っ…」

唐突に飛び出した名前に、びく、とスコールの肩が跳ねた。ライトのことも知っているティナがその名前を口にすることはおかしくないが、この話題でその名前が出てくるのは、スコールにとって少々心臓に悪い。
感謝をこめてルーネスに贈るプレゼントのマフラーを編んでいるティナが、編み物をスコールに勧めながらその名前を出すということは、つまりライトにマフラーを編んではどうかと言われているわけで。更にいえば、ライトは厚手のマフラーを持っていなかったとスコールは記憶している。
当然ティナは知らなかっただろうが、もしプレゼントを贈るならこれ以上なく適しているだろう。とはいえ、実際に作るとするとまた別の問題で。

「編み物なんて、やったことない…」
「私もやったことなかったけど、本読んだらなんとかなったよ?」

ティナの言葉を聞きつつ、もう一度机の上のマフラーを眺めた。いくらかは練習したかもしれないが、初めて編んだという割には赤いマフラーは十分な出来栄えに見える。なにより、その出来はスコール自身が称賛したばかりなのだ。
こう、現物を見せられると自分でも出来そうだ、なんて思ってしまいそうだから困りものである。それでも、どこかで思いとどまってしまうのは、なんだか女々くて恥ずかしく感じてしまうからに他ならない。
無理だ、と首を振ったスコールをしばらく見つめていたティナが、やおら口を開いた。

「…毛糸を選んでる時ね、すごく楽しかったの。どんな色が似合うかなって」
「…?」
「編んでる間もね、難しかったけどやっぱり楽しかったの。渡した時、どんな顔してくれるかなって。喜んでくれるかなって」
「…嬉しかったのか?」

スコールがそう尋ねれば、よく分かったね、とティナは目をすがめて微笑んだ。

「どっちも嬉しいの。素敵じゃない?」

目を見られなくて視線を落とせば、毛糸で出来たくまが本の表紙の中からこちらを覗き込んでいた。黒いボタンの目を見つめ返しながら、スコールは“もしも”を想像してみる。
もし作るなら? 手編みもあると言っていたが、編み棒の方がきれいに作れそうだ。
毛糸の色は? 青色とか、だけど大人だから暗い色がいいかもしれない。
喜ぶかどうかといえば? きっと喜んでくれると思いたい。
どんな顔をしてくれるか? ―――嬉しそうに、微笑んでくれるだろうか。
ぼんやりと考えこんでいる内に、じんわりと胸が熱くなっていく。無意識に頬を染めていたスコールを、ティナは口を挟むことなく見つめていた。

「はぁ、エクスデス先生も無茶を言う…あれ、スコール?」
「!!」

がら、と戸が開く音と、かけられた声に、驚いたスコールは顔を上げると体ごと思い切り振り返る。その先で、声をかけたフリオニールはびっくりしたように目を見開いていた。

「な、なんだ? どうしたんだ?」
「スコールとお話してたの」

なんでもないことのようにティナが返した助け船に、少し冷静さを取り戻せたスコールは放置していた封筒を手に取るとフリオニールの胸に押しつけた。ぐしゃ、と紙の折れる音がしたが、そんなものに構う余裕など今のスコールにはない。

「この前の査定、の結果だ。読んどけ」
「あ、ああ…って、それでここに来たのか。ありがとうな」

感謝と手間をかけさせた詫びを込めて礼を言ったフリオニールは、少々訝しみつつもしわの出来た封筒を持って自分の席へと戻っていった。
ほっと息を吐いたスコールがもう一度振り返れば、ティナはくすくすと声を上げて笑っていた。無駄に慌ててしまった自覚のあるスコールには彼女を咎めることは出来ず、なんと言ったものか言葉に迷ってしまう。

「お話に付き合わせちゃって、ごめんね」
「別に…」

また視線を落として本のくまと睨めっこをしているスコールに、可愛いなんて感想を抱きつつティナが謝罪すれば、顔を上げてふてくされたようにも聞こえる声音で“『会話自体は』何とも思っていない”と返してきた。
困らせちゃったかな? そんな反省をしていると、ティナの顔と表紙のくまを行ったり来たりしていた視線が外へと向けられた。元々の用事は終わったのだから、自分の教室へ帰るのだろう。別れの挨拶をしようとティナが口を開いたところで、小さい声に遮られる。

「…本、借りてくから」

言葉を聞き洩らすことなく、そして予想していたように頷いたティナに、スコールは少しだけばつの悪そうな顔をしてから、本を他人からそれと分からないように抱き締めて、逃げるように廊下へと出て行ってしまった。挨拶が無かったことを不満に思うはずもなく、むしろ微笑ましいとばかりに可愛い後輩の背中を見送ったティナは、机の上に置いたままの編み棒を手にして、作り途中のマフラーを編み始めた。

おすすめするなら、手袋とかでもよかったかな。
完成したなら、お願いして一度見せてもらおうかな。
もし分からないところとかあったら、私が教えてあげることも出来るかな。

赤い毛糸を編み棒に巻きつけながら、ほっこりと温まった胸にティナはそっと微笑った。









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なんでマフラー限定? ティナが天然ってことでひとつ
そしてティナもスコールもクラスのアイドル


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