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DFF中心の女性向け・腐注意ブログ
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ベタだけど入れ替わりネタ!思い付いたが吉日ってね
あ、でも入れ替わるといっても中身じゃなくて、人格というか精神だけというか 性格入れ替わりって感じでしょうか
ちょっとだけFF2のネタが出てきます まぁ知らなくても問題ないですが

被害者はバッツとスコール 苦労ポジがジタン

ギャグにしようとして失敗したのでギャグじゃないです そして無駄に長い








「た、助けてくれー!!」

背後からの切羽詰まったような声に、何かあったのかと警戒しながら振り返れば、こちらへ走り寄ってくるジタンの姿。それに続くのはスコールとバッツで、組み合わせだけ見ればいつもの通りの三人だが、様子だけはいつもの通りではなかった。
正確にはジタン以外の二人、スコールとバッツが。

「助けてくれってどういう意味だよジタン!」

ジタンを追いかける形で走りながら、むぅと頬を膨らませて文句を言うのはバッツ、ではなくスコールで。
少し離れて呆れた顔をしながらゆっくり歩いてくるのがスコール、ではなくバッツ。
まるで仕草を入れ替えたかのような二人に違和感を感じつつ、どうした、と傍にやってきたジタンに問いかければ、彼はえらく疲れた様子で見上げてきた。

「さっき変な、脳みそみたいなモンスターがいたんだよ!で、そいつを倒そうとしたら変な魔法使ってきて…」
「あっ、ウォルっ!!」
「バッツとスコールが…」

どがっ

むぎゅう

「っ!?」
「…変になったんだ」

追いついてきたスコールがこちらに気付くやいなや、ぱぁっと笑顔を浮かべたと思うと、駆けていたそのままの
勢いで抱きついてきた。あまりといえばあまりのことに、受け止めきれず倒れてしまったその上からジタンの溜め息が落ちてくる。
記憶にある“スコール”という人物を思い起こして、絶対になされないだろう行為に、今までで一番驚いたんじゃないかと言うほどに驚かされた。そんな混乱を知ってか知らずか、スコールは馬乗りになりながら嬉しそうににこにこと笑っている。

「変なモンスターが出てきたけど、ブラスティングゾーンで一発だったんだ!俺も強くなったよな!」

そんな自身の武勇譚を目を輝かせて語るスコールは、きっと恋人の欲目を抜いても可愛らしいのだが、それよりも事の異常さの方が先立ってしまい、褒めてやることも喜ぶこともできない。
皇帝やアルティミシアあたりが術で扮しているのかと危惧しようにも、彼らが自分に抱きついてくるとは考えにくい、というか考えたくない。ジタンのいう変なモンスターによる変な魔法によってこうなった、と考えるのが一番自然だろう。
少し離れたところから聞こえてきた溜め息をたどれば、バッツが眉間に皺を寄せてこちらを見下ろしている。何やってるんだ、そんな呆れ声が聞こえてきそうだが、脳内再生されるのはスコールの声音である。
とりあえず乗しかかってくるスコールを下ろして立ち上がれば、頭を押さえたジタンが唸るように言った。

「…だろ?」
「…ああ…」

無口でしかめっ面なバッツと、笑いながら絡んでくる饒舌なスコール…ジタンが思わず助けを求めたくなるのも分かる。まるで入れ替わったかのような二人に囲まれては、その異常さに疲弊するのも仕方ない。

「一度みなに聞いてみよう」

精神に何らかの影響を及ぼす魔法だとして、それ以外の作用がないとは言い切れない。もし命に関わるようなことがあればと思えば、とかく情報を集める必要があるだろう。
それにジタンも賛成らしく、大きく頷いた。

「じゃあオレは他のやつ呼んでくる。バッツも行こうぜ!」
「…なんでおれまで」
「っい、いいから!ほら!リーダーはスコール頼むな!」

顔を引き攣らせながらも腕を引っ張っていくジタンに、やれやれと溜め息を吐きながら嫌そうについていくバッツ。そんな光景をやや呆然と見送りながら、ふと隣のスコールがこちらを凝視しているのに気付いた。
どうしたのかと見遣れば、スコールはへへ、と笑いながら腕に抱きついてきた。

「やっぱりウォルかっこいいな!」
「え?」
「背高いし筋肉あるし、羨ましい」

頬を紅潮させてそんなことを言うスコールに、一瞬言われたことの意味を理解できず、珍しく間抜けな言葉を発してしまった。それに気付いているのかいないのか、スコールは相変わらず無邪気に笑っている。
なぜそんなに楽しそうに笑っていられるのだろうと思いつつ、それは普段バッツへ向けて抱く疑問であることを思い出す。
頭の隅にあった仮説が、徐々に形になっていく気がした。

「俺もあんたくらい背があればな」

バッツとスコールが入れ替わったのではないだろうか。おそらく精神が、だろうが。

「…私は、それくらいでいいと思うが」
「ほんと?」

そう嬉しそうに言うのも、精神が変わった所為だろう。
しかし、今のスコールの言葉はスコール自身のものであると考えていいのだろうか。今のスコールの言葉を素直に喜ぶには、そんな抜けきれない違和感が邪魔をする。
本当にスコールの本心で言ってくれているのか、そう疑ってしまうのだ。普段が普段であるだけに。

「ありがとうウォル、大好きだ!」

いつもなら、恥ずかしそうに小さく、それでも彼にとっては精一杯の想いを込めて告げられる言葉を、喜ぶには。
もしかしたら愚かな事かもしれないが、そんな疑心をどうしても拭いきれない。もしかしたら、彼の想いを踏みにじっているかもしれない。その可能性に罪悪感を覚えながらも、それでも、自分は無口で天邪鬼で、それでも優しい子供を愛しているから。

「…ああ、私も」

どうしても、最後まで言えなかった。





「俺の世界にチェンジって魔法があったんだ。確かに脳みそみたいな敵が使ってきたけど…でも二人みたいなことにはならなかったぞ?」
「何もかもが元の世界通りとは限らないしね。現に僕らの技だって少し変わってるし」

仲間を集め話し合った結果、変なモンスターも変な魔法も、フリオニールの世界のものであるらしいということが分かった。もちろん確定ではないが、バッツとスコールに関しても精神が入れ替わったのだろう、というのが全員の見解だった。ティナが二人から魔法の効果を感じ取ったことから、入れ替わった原因も変な魔法でほぼ間違いないだろう。

「でもモンスターなんて…カオス軍以外の敵なんてイミテーションしかいなかったのに」
「あら、可能性を限定するだなんて愚かですわね」

オニオンの呟きに返す形で高慢そうな言葉が聞こえてきて、思わず振り返れば小さな姿。いつかに現れた彼女は、シャントットと名乗っただろうか。

「ええと、それはつまり…?」

ひく、と頬を引き攣らせたフリオニールが恐る恐るといったふうに問いかければ、シャントットは鼻を鳴らして嘲笑うかのような笑みを浮かべた。そのいつか、彼女は豊富な知識を用いて、秩序軍をひっかきまわしてくれたのだ。それをフリオニールも思い出したようで、だからこその怯えである。

「ちょっとあなたの記憶から作ってみた実験体でしたのよ。試しに放してみればなかなか面白い結果になりましたわね」
「お、面白いって…」
「魔法チェンジ、どうやら性格の入れ替えに終わったようですわね」

がくっとスコールとバッツが頭を抑える。行為こそ同じだが当然微妙に違う仕草も綺麗に逆なのが、彼女の言葉を裏付ける。彼女にとっては単なる魔法の実験なのだろうが、当人たちにしてみれば迷惑なことこの上ない。

「でも…二人は元に戻るの?」
「効果はせいぜい二時間ほどでしてよ。たまにはいつもと違った二人を楽しんでは如何?」

不安げなティナの言葉にも、シャントットはにやりと笑って返すばかり。いつもと違った二人、を嫌というほど味わわされたジタンが盛大に溜め息を吐くのも聞こえないふりのようだ。この小さな魔法使いは、ティーダ曰くサディスティック、それもドがつく、といった種類のようで、他人が苦労している様子を見るのが楽しいらしい。
確かに迷惑ではあるが、どうもカオス軍どころかコスモスやカオスですら敵わないだろうと言われている彼女には、誰も文句を言えない。ただ、命を奪ったりすることだけはしないので、その点では安心できる。それが、彼女がどうも憎めない存在である理由だろうか…それでも十分迷惑なのだが。
とりあえず、残り一時間は二人はこのままということらしい。一時間“だけ”なのか一時間“も”なのかは、分からないが。

「では私は別の研究があるのでお暇しますわ。…ああ、ちょっと、そこの戦士」
「…?」

帰ろうと背を向けるも思い出したように振り返った彼女に呼ばれて、不思議に思いつつも屈めば、相変わらず嘲笑混じりの言葉が掛けられる。

「あくまで入れ替えたのは性格ですのよ。子猫ちゃんの言葉はちゃんと子猫ちゃん自身の言葉ですから、安心なさいな」
「なっ…」
「それではごきげんよう」

半ば呆然としつつ、転移してしまったシャントットを見送る。
彼女が言うことを信じるならば、あの時のスコールの言葉はちゃんとスコールの本心であったということになる。つまり、あの時の自分は、疑心で言葉を返せなかった自分は。
果たして思いがけず聞くことのできた言葉を喜べばいいのか、それとも疑ってしまったことを悔やめばいいのか。あの時のことを彼女に見られていたかもしれない、という懸念は最早どうでもいい。

「ウォル?」

いつのまにかスコールが傍にいて、心配そうに見上げてくる。いつもより表情豊かなそれを見下ろせば、ふつふつと後悔が浮かぶのが分かった。
少し、と声を掛けて細い腕を掴み、皆から離れていこうとしてもスコールは素直に従ってついてくる。不思議そうな表情が、未だ心配を浮かべているのが歯痒い。

「なぁ、どうしたんだ?あいつに何言われたんだ?」
「スコール」
「なに…」

呼ぶや否や、抱き締めると声が途切れた。

「ウォル…?」
「スコール、私も…」

つまらない可能性を疑って、自分はいつもの彼を好いているからとつまらない言い訳をして、返せなかった言葉。謝るより先に言いたかった言葉。
後悔ばかりが先立って焦っていたのかもしれない、言ったところで懺悔にしか聞こえないのかもしれない。それでも想いを疑われることだけは避けたいと、そう思ってしまった。

「愛している」

そう言うと、腕の中のスコールは僅かに肩を揺らして押し黙った。その様子に不安を覚えてしまうのは、自分が未だ罪悪感を持ったままで、そして今更こんなことを言う身勝手さに、自己嫌悪してしまったから。
ただ湧き上がる想いを口にすることに抵抗などあるはずもなかったのに、今は同じ言葉がひどく苦い。自分は疑っておいて、彼には疑わないで欲しいだなんて、なんて愚かな願いだろう。愛想を尽かされても仕方がないんじゃないか、そんな予感が恐ろしくて、彼の表情を見ることすら出来ない。

「…馬鹿だな、あんた」

指先から冷える感覚を払拭する声に、顔を上げる。別によかったのに、と続けて言ったスコールに思わず瞠目すれば、彼は苦笑を浮かべていた。
その苦笑が、記憶にあるスコールのものとだぶる。

「まぁ、そりゃあ最初は何でだろうって思ったけど。いつもハキハキしてるはずのあんたが口籠るんだもんな」
「それは…」
「でも俺とバッツが入れ替わっちゃったんだろ?今の俺はいつもの俺じゃないんだろ?それじゃ仕方ないよな」

仕方ないと言いつつも、その表情に悲痛さはなく。こちらが痛みを抱えないように、消してしまうように優しく笑う、それも記憶にあるスコールが時折見せてくれるものと、変わらなかった。
思えば、違和感ばかりに気を取られて、見ていなかったのだ。言葉がスコール自身のものであるように、その表情も確かにスコールのものであって、ただ見慣れなかった、たったそれだけで。

「俺も早く戻りたいよ。えっと今のバッツみたいな…暗い感じの、んで天邪鬼な感じ?にさ」
「しかし、」

言い募ろうとするも、立てた指に唇を抑えられて、言葉を飲み込む。

「いいって言ったろ?それに、あんたさっき愛してるって言ってくれたし」
「…すまな…」

唇を抑えていた指が離れてから口にしようとした謝罪は、スコール自身の唇に塞がれることで途切れた。すぐに離れたそれは、謝るの禁止!とまるで子供に注意するかのような口調で、それでも弧を描いていた。

「その分抱きしめてくれればいいから、な?戻ったら…もっと明るくなれるように頑張るから」
「…ああ、楽しみにしている」

そう返せば、うん、と嬉しそうに笑いながら頷いたスコールに、後悔以上の愛しさが溢れて。彼の、そして自分の望み通りに抱きしめて、口付けた。
ああ、この存在に、私はこんなにも支えられている。そんな実感に満たされて、それが嬉しくて。口付けの合間にもう一度、いつもと変わらない『愛してる』を囁いた。

二人が元に戻るまで、残り数十分。









----------

おあとがよろしくならなくなるのをどうにか軌道修正 要はどんな君でも愛してる!みたいな
でもどうしてこうなった 大人しくギャグにするはずだったのに
口調はそのままで性格入れ替えは結構難しかった…下手するとそのままバッツになっちゃいそうで( ´_`)
何気に淑女初登場

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