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DFF中心の女性向け・腐注意ブログ
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敢えてのウォルスコカテゴリですが、ウォルスコじゃないです 因みに視点はスコ寄り
秩序ウォルと混沌スコな過去輪廻でころしあいです 本気の憎み合いで当然甘さ皆無なので注意
救いは所詮パロってところくらい?

さした表現じゃないですが一応身体的に痛いのも注意
まぁたまにはってことで







「さぁ、決着をつけよう」

凛と届く声に、凛と射抜く視線を携えて、勇者は高らかに言った。向けられた獅子は自らの武器を構えながら、無表情の双眸を殺意で埋める。
剣を眼前に掲げる仕草は勇者の癖なのか、見目通りの騎士然とした姿に大層似合いはするが、生憎と獅子には不快感しか与えていない。そして、勇者自身も獅子に不快感を与えようと知ったことではないのだ。
互いの姿が、声が、目が、その存在が、互いにはまるで反発因子でも仕掛けられているかのように不快であり、そうして何もかもを憎んでしまいそうな程に、憎らしかった。

「これで終わりだ。これ以上あんたを見たくない」
「奇遇だな、私もだ」

うすらと口角まで上げながら交わされた言葉は軽い冗談のようであり、だからこそ本気でもあった。この存在を消すことが出来たなら、もう、自分は。
そんな予感はいっそ甘美であり、二人を本気のころしあいへと誘わせる理由である。今向かい合う存在すらいなくなれば、きっとこんな世界でも美しく思えることだろう。

「…終わらせよう」

すべてを、と呟くが早いか獅子は地を蹴って勇者へと向かった。剣は剣で受け止められ、鍔迫り合えば互いの瞳に互いの顔が映るほど近い。
これを、ころさなければ。そんな衝動が湧きあがるのは同時だった。
ありったけの殺意を込めながら輝きを止めない盾が振り上げられるのを避け、獅子はすれ違ったかのような勇者へ向けて火薬を爆発させるが、回避される。ち、と舌打ちを響かせて、距離を開ける勇者を追いかけた。

ある時に、皇帝が言った。お前はいつか秩序の駒であった、と。
その時の獅子に浮かんだのは驚愕ではなく、心底からの嫌悪だった。自分がどちらに属していようが任務を遂行するまでだが、しかし、秩序であったということは、すなわちあの勇者と仲間であったということになる。
ガーランドが混沌の戦士から立場を変えることはなく、つまり今までもおそらくこれからもあの勇者は秩序の駒でしかありえないのだ。
そんなこと信じられるか、と嫌悪感を露わにする獅子にも、皇帝は腹の見えぬ笑みを浮かべたままだった。信じるも信じないも貴様の勝手だ、と言い残して消えた皇帝の跡を睨みながら、獅子は秩序の駒であったらしい自分にすら殺意を向けた。
ならば、殺してやろうじゃないか。このまま秩序を崩壊させれば、カオスの勝利で終われば、自分は元の世界に帰れる。そうすれば、秩序の駒であった自分は、あの勇者の仲間であったという自分は消えてなくなる。事実は永久の闇の中だ。

もう数えきれないほど剣を結んで、それでも未だ決着はついていない。それでも辟易しないのは、湧き上がる憎しみのおかげなのだろう。
早く、早く、いなくなってしまえ。そうすれば、自分も。

勇者の左腕は斬られ、盾は機能しない。獅子の右脚も斬られ、速度を落とす。
何分経ったか、下手したら何時間かも分からない戦闘は終焉が見えず、それでも突き動かされるかのように二人はひたすら戦っている。
流れる血が視界を覆い、吐いた血を地へ染み込ませる。もはや戦闘なのか闘争なのか、いっそ戦争なのか、二人にはもう分からない。

血に濡れた手は柄を滑り、肺は酸素を求め続け、それでも縺れる足は動きを止めない。まるで赤い靴に操られているようだ、とふと思ったのは偶然にも同時で、そして滑る剣がなにかかたいものをつらぬいた感触を得たのも、また同時だった。
それまでけして止まらなかった足から一挙に力が抜け、膝をつく。その寸前、どうにか引き抜いて地に刺した剣を両手でしっかと握ったおかげで倒れ込みはしなかったが、それでも、もう戦えないことは明らかだった。

「……」
「……」

まだ、世界は終わっていないのに。
いや、これから終わるのだ。
どちらの勝ちでもなく、自分の世界は終わるのだ。そう、壊したかった世界が、今壊れていく。
ただ無言で互いの顔を眺めて、初めて“きれい”だと感じた。
この存在が消えさえすれば、きっと何もかもが美しく思えるのだろう。ああ、本当に、何もかもが。
決着をつけて、すべてを終わらせて。

ずる、と剣が地を滑り、ふたつの体が血溜まりへ倒れ込んだ。
これでもう、この存在ところしあった自分は殺されて、その事実は永久の闇の中。そして過去に現在が加わり、未来が入れ替わり、果たしてその時この存在は何になっているのだろうか。
そう思ったのも、目を閉じて存在を終わらせたのも、同時だった。









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ずっとぐるぐる頭の中にあったネタだったのですっきり…かな
次から通常営業(ド甘ばかっぷる)に戻ります

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