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DFF中心の女性向け・腐注意ブログ
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ウォルさんの髪が長い理由をウォルスコ視点で書き殴り
最近ウォルさんがいやんな方向に調子付いててどうしたもんかなー

そういえば『空と糸/ム.ッ.ク』の歌詞の少女って幼スコールに当てはm…いやなんでもない
巻き舌出来るようになりたいなぁ









抱き締められて、抱き締めて、その背中に腕を回すたびに手に触れるそれ。
当たり前のようになっていて気付かなかったけれど、それに触れられるというのは、よくよく考えてみればなかなか不思議なことなのではないか。

「髪、長いよな」

肩甲骨よりも伸びた髪を掬い取り、肩越しに見える位置まで持ち上げる。
不思議だと思ったのは、彼の性別が男だからというよりは、堅物と称される性格の方に起因する。伸ばされたままの髪は、ともすれば戦闘の邪魔にすらなりそうだが、切るつもりもなければ結ぼうとする様子もない。

「伸ばしてるのか?」
「そうだな」
「えっ」

何か理由があって伸ばしているのかと思えば納得も出来るが、それがお洒落のためとは到底思えず、それ以外には面倒臭がってのことくらいしか思いつかない。もしくは、彼の世界では長髪が普通だったか。
そんな予想こそすれ、まさか明確な肯定が返ってくるとは考えておらず、思わず肩口から顔を上げれば勇者は目を細めた。

「君は気付いて…いや、いないのだろうな」
「何がだよ」

まだ何をとも聞いていないのに、どうして断定出来るのか。
さぁ言ってみろ、そんなこと分かってるって返して驚かせてやるんだからな。そう挑発的に見遣れば、彼の胸に置いていた手を軽く掴まれた。

「君が私の背中に手を回す時。いつも髪を触っているだろう」
「…え?」

嘘だ、と反射的に否定しようにも、嘘を吐くことなど知らないような勇者のこと、彼がそう言うならそれは本当のことでしかない。ほら、と掴まれた手を引かれて、まさかと思いつつも背中に垂れる毛先に触れてみれば、それは驚くほど手に馴染んだ。梳いてみたり、跳ねたひと房を摘まんでみたり、くしゃりと掴んでみたりもしたものの、返ってくるのはよく知った感触ばかり。
さすがに否定のしようがなく言葉を失っていると、僅かに口端を上げた勇者が追いうちのように告げてくる。

「それに共に眠っている時、君はよく私の方に寄ってくるが」

それは気付いてる、ふと起きたりするとなぜかあんたがすごく近くにいたりするからな。
とは言えず、そしてそれ以上に何かあるのかと思うと身構えずにはいられない。

「私の髪があると、それを枕代わりにしているな」

身構えた意味もなく瞠目させられる先で、ただ、と彼は少しだけ苦味を含んだ溜め息を吐いた。

「後ろを向いている時だと君を見られないのが困りものだ。大抵気持ちよさそうに眠っているから、取り戻すことも出来ない」
「わ、分かったから、止めてくれ…」

顔から湯気が出そうだ。
逃げ出したくても腰に腕が回されたままでは離れることすら出来ず、肩口に赤くなっているだろう顔を押しつければ同時に彼の髪に埋まることになる。頬に触れるのは温かい、肌寒い夜にはさぞ心地良いだろう温度。
懇願に口は閉じてくれたものの、その代わりに頭を撫でられてしまって、ますます顔が上げられなくなる。

「…切らないのか、髪」
「もちろん。だが…そうだな、戦いが終わったら切ろうか」
「……そうか」

まるで願掛けだ。この戦いを終わらせて元の世界へ帰る、それが本懐なのだから。
そして、自分は短髪の彼を見ることは出来ない。何度も思い知って、何度も納得させてきたことなのに、その度に覚える苦しさからはいつまでも逃れられそうにない。

「その時は、君が切ってくれないだろうか」

なのに、当たり前のように“その後”を口にするのだから。その揺るぎなさに、何度でも救われてしまう。
たった一言で途端に安堵する、ある意味現金な自分が恥ずかしくて、照れ隠しのように掴んだ髪を引っ張った。その微かな痛みすら、勇者を楽しませていることも知らず。

「…うんと短くなっても知らないからな」
「構わないさ」

そう言うなら、どれくらいに短くしてやろうか。肩くらい?自分くらいか、それより短く?
切ってしまえば背中に流れるその髪には触れられなくなってしまうけれど、短くなった髪の感触も新鮮で楽しめるかもしれない。
そんなことを考えてみながら、指に髪を絡めてそっと笑う。声からして彼も笑っているのだろう、それだけのことで棘が抜け落ちる心地がするのだ。

「俺も髪、伸ばしてみようかな」
「君なら似合うだろうが…あまり長すぎない方がいい」

長髪を否定する理由が、似合う似合わないというよりも彼自身の希望のように聞こえて、何故かと問う代わりに顔を上げれば、勇者はあまり性質のよろしくない笑みを浮かべていた。まずい、と思う間もなく背中にあったはずの手に項を引っ掻かれて、思わず仰け反ってしまう。

「ここが、隠れてしまうだろう」
「ひゃっ…!」

仰け反った拍子に晒した首筋に唇を寄せられて、漏れてしまった声に笑い声が上がるのが無性に腹立たしくて。調子に乗るな、と拳を飛ばすにも体勢からして力など碌に入りやしない。いつの間に、こんなしたたかさを身に着けていたのだろう。
とにかく、このまま為すがままにされている訳にはいかない。
―――絶対伸ばす、完全に首が隠れるまで伸ばしてやる!
そう決意して、せめてもの抵抗とばかりに先程よりずっと強く髪を引っ張ってやった。









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ただの髪談義だったのに どうしてそうなった


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