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DFF中心の女性向け・腐注意ブログ
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何度かやりたいと言ってたぽけもそパロ!
なんかもうやっちまった感がムンムンですが殴り書いちゃったもんは仕方ないので晒し上げSS 誰得俺得

・ポケモンパロなので当然ポケモン分からないと意味不明
・もちろん色々ねつ造
・RSまでを知らないとポケモン名分からない
・というかウォルスコじゃないむしろウォル+スコ?ウォル←スコ?
・そして子ウォルとちびスコ
・要は色々ぶっとんだただの俺得

おk?









その子供を見つけたのは偶然だった。
初夏の夕方を過ぎた頃、厚い雨雲のせいで辺りは暗く、雨粒は傘を容赦なく打ちつけてくる。家までの道を足早に歩きながら、ふと傍らの草むらの方から小さな、しかし複数の唸り声が聞こえてくるのに気付いた。
この辺りにはデルビルが生息していて、夜になると時折人前にも姿を現すことは知っていたが、聞こえたのがこんな近くで、それも威嚇でもしているかのような唸り声ときては気になりもする。
数匹いるだろうデルビルに気付かれないよう、腰のボールに手を掛けながら近付いてみれば。デルビルのものとは違う唸り声と、かき消されそうな子供の泣き声が混じっているのに、目を見開いた。
慌てて、それでも出来るだけ気配を消して更に近付き、背の高い草の隙間から覗くと、五匹のデルビルに囲まれながらも眼光鋭く睨みつけているガーディがいた。
更にその赤い背の後ろで、ラルトスを抱き締めながら五、六ほどの小さな少年が震えているのに驚いて。ほぼ反射的に、ボールを投げていた。





未来を予知するポケモンがいるらしい。
正しくはそのポケモンに進化するポケモンであるが、それがこの辺りで見られたと聞いて、物心ついた時から一緒にいたガーディを引き連れて飛びだしたのはほぼ無意識だった。
―――僕は、未来でおねえちゃんを見つけられるの?
おねえちゃんと別れてから、いつもそんな疑問の答えを知りたくて、それでも人間ではけして知り得ないそれを叶えてくれるポケモンがいると聞いてから、捕まえたくて…というより、会いたくて仕方なかった。だからこのガーディと共に、そのポケモンが生息しているというここまでやってきたのだ。
ほぼ半日かけて広い草むらを探しまわり、ようやくラルトスを見付けた時には、日が傾き始めていて。慌てて帰ろうにも、せっかく見付けたラルトスは未熟で未来予知など出来るはずもなく、かといって捕まえるつもりもなかったためモンスターボールもなく、しかしここで逃しては再び見付けられるかも定かではない。そうして迷っている内に辺りは暗くなり、気付けばデルビルに囲まれてしまっていた。

どうしよう、どうしよう!

ガーディが自分たちの前に立ち塞がり、威嚇し返したり時に吠えたりとしてくれているが、デルビルの包囲は解けそうにない。それはこの草むらがデルビルたちの縄張りであったためなのだが、それをまったく知らなかった自分にはただ恐ろしいものでしかなかった。
震えるラルトスを抱き締めて、必死で恐怖をやり過ごそうとするが、ぽつりと降ってきた雨粒に瞠目する。ばっと振り仰いだ空はいつの間にか雨雲に覆われていて、辺りの闇が濃くなっているのに気付いて恐怖が一気に膨らんだことが分かった。

「お、ねぇちゃ…っ」

耐えていた涙もあっさり零れて、体までがたがたと震え始める。
"おねえちゃん"と呼ぶにも言葉にはならず、叫ぶにも声は出なくてどうしようもなく、ただただ泣くしかなかった。
ひとりもだいじょうぶだよ、そう誓ったのは遠くない記憶のはずだったのに、なのに、どうして今、自分は泣いているのだろう。そう自責するには恐怖が大きすぎ、また抱えたラルトスと同様に未熟だった。
そんなだから、草むらから人間が飛び出してきたのに、すぐには反応出来なかった。

「リオル、はっけい!ラルトス、フラッシュ!」

凛とした声と同時に辺りがまばゆいばかりの光に包まれて、デルビルたちが目を眩ませたじろぐ。その間に、青い影が一匹のデルビルを吹き飛ばして、もう一匹へ向かったのが見えたところで、誰かに手をぐいと引かれた。
それまでの恐怖感も相まって叫びそうになるが、口を手で覆われて、更に唐突に現れた少年に、しぃと唇の前で指を立てられては、黙るほかなかった。
口から洩れるのが収まりつつある泣き声だけと分かると、少年が口を開いた。

「立てるか?」

リオルと応戦しているデルビルたちの気をこちらに向かせないためらしい、静かな問い掛けに、こくんと頷いて立ちあがろうとしたところで。腰が抜けてしまったらしい、足にまったく力が入らない。
なかなか立ち上がらない自分を不思議そうに見ていた少年が、なるほど、と呟いた。と、腕を伸ばしてきたと思うと、ラルトスを抱き上げてから自分まで抱き上げてきて、その上走り始めたものだから、慌てて少年にしがみついた。
守ってくれていたガーディのことや、少年の意外な腕力に感心する余裕もなく、走りながらもリオルやラルトスに向けられる指示を呆然と聞くばかり。
やがて草むらを抜けたところでラルトスと共にそっと降ろされて、未だぼぅとした心地でぺたんと座り込みながらも少年を仰ぎ見た。

「リオルもういい、戻れ!ラルトスはリフレクターを張って、テレポート!」

青い影が草むらを揺らしてこちらへ飛び出し、その隣につい先程まで自分が抱きしめていたのと同じシルエットが現れる。デルビルたちは逃げ出したのか、リフレクターに阻まれて諦めたのか、もうあの唸り声は聞こえず、自分がこの少年に助けられたということをようやく理解した。
途端に、あまりの安堵に収まりかけた涙が溢れてきてしまって、少年がポケモンをボールに戻した後、ぼろぼろと泣いている自分を見て慌て出したのに、なぜかまた安堵した。
無事に戻ってきてくれていたガーディにぺろ、と頬を舐められて、そのままふかふかした毛皮を抱き締める。雨に濡れているとはいえ、触れなれた感触はより自分を安心させてくれる。

「…きみもそのガーディもラルトスも、怪我はないんだな」

困ったような表情を浮かべつつ、少年が尋ねてくるのに頷いて答えると、少年は小さく息を吐いた。泣きだしたのが怪我のせいであるのではと、懸念していたらしい。
落ちつくに従って涙も止まり、そこでやっと立ち上がって、放り投げていたらしい傘を取りに行く、自分を助けてくれた少年を見る。
おおよそ十二ほどだろうか、この暗い中では定かではないが、それでも水のような色をした髪はぼんやりと光っているように見えた。
ふと、ズボンが引かれているのに気付いた。右にいるのはガーディなので、となると左には。

「…どうしたの?」

ズボンを引いてきた主、ラルトスに合わせて屈んで、覗き込む。
ラルトスは小さく首を傾げたようで、どうやら考えこんでいるらしい。ポケモンなのにどこか人間らしい様子に、つい口元が綻ぶ。すると、ラルトスは面を上げて、両手をこちらに伸ばしてきた。

「そのラルトスは、もしかして野生のものか?」
「?」

自分よりも幼い子供を彷彿とさせる仕草に、思わずラルトスを抱き上げつつ、戻ってきた少年の声にとりあえず肯定する。
ふむ、と先程のラルトスとは少し違う仕草で少年は逡巡してみせると、口を開いた。

「…きみについていきたいんじゃないのか?」
「え…?」
「ラルトスは人の心に敏感なポケモンだからな。きみは無意識でもラルトスを守ろうとしただろ?」
「…そう、なのかな…?」

無意識下のことなんて分からない。だから、少年の言葉にも首を傾げることしか出来ない。
腕の中のラルトスを見ても、人間のように豊富でない表情からは真意など読み取れそうにない。しかし、大人しく抱き上げられて、むしろ自分からそうされるのを望んだようでもあると、自惚れてもいいのなら。
未来を知りたかった、そんな願いのためだけに会いたいと願った存在。今となってはそんな存在以上の存在が、今腕の中にあって、傍にいてくれるというのなら。
一緒にいてくれるの?
声に出さず問い掛けて、そうして、返ってきたものがふわりとした胸のあたたかさなら、それはラルトスの答えだと思っていいのだろうか。

「…もう真っ暗だ。家はどこだ?送っていこう」

雨で髪を淡く光らせた少年が手を差し出してきて、一瞬迷う。それも、ラルトスや傍らのガーディの様子から、迷う必要などないことをすぐに悟った。
なにより、薄氷色の瞳が柔らかくて。
手を繋いで歩き出しながら、少年が空いた方の手で傘を差した。二人ともすっかり濡れ鼠なのに、そんな律儀さがどこかおかしくて小さく笑ったら、少年が視線を向けてきた。そこで、言うべき言葉を言い忘れていることに気付いた。

「あ、あの」
「ん?」
「…ありがとう」

人見知りを自覚している自分には珍しく、ちゃんと目を合わせて礼を言うと、少年は少し驚きながらも、すぐに微笑んで『どういたしまして』と返してくれた。
それになぜか頬が熱くなるのを感じるも、まだ幼い自分にはそれがどんな感情によるものか分からず、また未熟なラルトスが正しく察することも出来なかったのだった。









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長くなったので斬る、いや切る、やっぱり斬る
どちらにせよここで終わらせるべきじゃないか?俺得すぎるし…
でも正直楽しかtt(ry

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