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ウォルのスカー…ひらひらから妄想。
相変わらずスコールがウォルさん好き過ぎるお話ー。







ひらひら、ひらひら。

同じテントの中で、さぁ着替えようというその時に、ふと視界に入ったそれ。
おそらく腰布と呼ばれるだろう、白いひらひら。以前バッツたちが、スカートだと揶揄していたのを思い出す。たとえ面と向かって言われたところで、彼の場合『スカートではない』と淡々と否定するだけだろうが。
彼が上半身の鎧を外すのに合わせて、白いひらひらがゆらゆら揺れる様を、同じくひらひらしたマントと重ねようとして、白いひらひらのことをよく知らないことに気付いた。
柚子色のマント、群青の鎧、水の色をした髪、意外に白い肌、羨むより先に見惚れる体躯、大きな手のひら、少しかさついた唇…どれもその感触を知っているのに。
白いひらひらだけは、知らない。
そう思った途端、妙な悔しさが込み上げてきて、八つ当たりにも似た気持ちで、揺れていたひらひらを引っ張っていた。

「…スコール?」

上から降ってきた訝しげな声に、我に帰る。あちらは立っていて、こちらはたまたま膝立ちになっていたから、引っ張るというよりもめくるような形になっているのだ。つまり、いわゆるスカートめくりをかましているような状態であるわけで。
バッツじゃあるまいし!と何故かあの無邪気な大人を引き合いに出しつつも、とりあえず現状を悟った途端、顔が熱くなるのを感じた。

「どうした?」
「な…何でも、ない…」
「しかし、」
「何でもないから!」

別に中身は見えていないが、そもそも見ようとも思っていないし、というかわざわざ見ずともとうに知って…いや自分は何を言っているのか!?
羞恥やら慌て過ぎたゆえの混乱やらでごちゃごちゃした思考のまま、絞り出した叫び声は必死に聞こえたらしい。おそらく訝しげなままだろうが、それ以上の追及はなかった。
それにひそりと安堵しつつ、そういえば未だ手はひらひらを放していなかった。

(…やわらかい)

グローブを外した手で触れるひらひらはマントより薄手で、知らず込めていた力をそっと緩めた。もう少し遅かったら、皺になっていただろう。
それでも放せずにいるのは、余すことなく知っておきたいからなのかもしれない。たった一枚のひらひらでも、彼を構成するものなら軽視も重視もなく覚えておきたいのだ。
記憶というものはひどく不安定で、いつしかそう思うようになっていたのは、おぼろげな元の世界の記憶によるものなのだろうと思う。自分はいつかに、きっと記憶を失くしたことがある。
知っておきたい、覚えておきたい、その願望が叶わない可能性が、自分にはあるから。この手に刻みつけたい。
ひらひらとたなびくそれを、視界で触覚で感じたい。

「スコール」
「あ…っ?」

気付いた時には遅く、ひらひらを取り上げられたと思えば、彼が隣に座り込んできた。そうしてぐいと肩を抱き寄せられ…たかと思いきやそのまま倒される。
後頭部にある感触は先程まで手で感じていたひらひらの柔らかさで、つまり彼の腿に上体を乗せているこの形は、もしかして。

(ひざまくら、なのか…?)

だとしたら、なんて下手な膝枕の仕方なのだろうか。さすがに鎧は外してくれているが、上体が乗りすぎて寝心地は全く良くない。というか、まず意図が分からない。なぜ、自分はいきなり膝枕をされているのだろうか。
そんな混乱を知ってか知らずか、見上げる彼の顔はどこか得意げで。

「この方が触れやすいだろう?」

そう言われて、一瞬言葉を失う。それは、ひらひらのことを指しているのだろうか。確かに、腕を伸ばす必要がないどころか既に触れているほどひらひらがすぐ傍にあるけれども。
ひとまずこの身体に負担がかかりそうな状態から、一般的に"膝枕"と呼ばれる体勢へ直してみて。手だけでなく、頬にもひらひらが触れていることに気付いた。
彼の温度が、ひらひらを通して緩やかに伝わってくる。普段は鎧や薄布すらも体温を感じるには邪魔だとも思ってしまうのに。何故か、このひらひらからの柔らかい温度は悪くないと思える。
問い掛けに返した頷きは小さいものだったが、彼には伝わったらしい。
そっと微笑んで、髪を撫でてくれる感触に、静かに目を閉じた。









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スコール視点ばっかなんですが、正直勇者視点って難しそうで…というかスコールは脳内饒舌だから書きやすいというのもある。

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